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愛媛の景観(平成8年度)

第1章 自然と生きるふるさとのくらし

 総面積5,675km²の愛媛県は、地形的には、県を東西に横断する中央構造線(*1)によって大きく二分される。北側(内帯)は、宇摩、新居浜、道前、松山などの平野と高縄半島、芸予諸島、忽那(くつな)諸島などからなり、南側(外帯)は、石鎚山をはじめとする急しゅんな山々が連なる四国山地となっている。この山地からは、肱川、銅山川(吉野川水系)、面河(おもご)川(仁淀川水系)、広見川(四万十川水系)などの河川が流れ出し、流域に多くの盆地を形成している。また、長さ1,626kmに及ぶ海岸線は、北海道、長崎県、鹿児島県、沖縄県に次ぐ全国第5位の長さをもち、比較的単調な砂浜海岸や直線的で切り立った断層海岸、湾と岬が交錯するリアス式海岸など、変化に富むものとなっている。
 考えてみると、わたしたちの思い出の中のふるさとは、いつも山や海や川に抱かれている。本章では、さまざまな顔をもつふるさとの自然に焦点を当て、それと深くかかわりながら生きてきた人々の姿や、そこで育まれ、伝えられてきた生活文化を記録しようとした。


*1:西南日本を二分する大規模な断層。長野県の諏訪湖付近から南に向かい、三河湾、伊勢湾、紀伊半島、四国を横断し、九
  州中部に至る。