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わがふるさとと愛媛学Ⅳ ~平成8年度 愛媛学セミナー集録~

◇高速道路と「ゆうゆうの里」

 小松町は1988年(昭和63年)に新総合計画を作り、それにのっとって、町づくりをやっているわけですけれども、その中の一つとして、高速道時代を前提にした町づくりとはどうあるべきかというようなことを、考えているわけです。
 現在、ハイウェイ・オアシス事業は、都市計画決定がされ、事業認可もされ、今年から造成工事が始まりますが、それだけではしようがないのです。今、ハイウェイ・オアシスの隣に、企業に進出してもらい地元に雇用の場を与えてもらったり、いろいろな生産物を消費していただいたり、地元の熱意ある人たちが商売できるような民活ゾーンである「ゆうゆうの里」計画というのがあります。また、その横には、県営でやっていただいたのですけれども、生活環境保全林というのが、もうすでに完成しております。そして、その生活環境保全林と「ゆうゆうの里」とハイウェイ・オアシスを含めたものが、「石鎚いきいきランド構想」ということです。これが、今後の町づくりの、また町外から人を集めて来るための施策の一つになると考えています。
 ところが、ハイウェイ・オアシス一つとってみても、65億円ぐらいかかるのですが、そうしたら、「そんなばかみたいなことをやめて、65億円を町民皆に配った方がいい。」という人もいるのです。また、「公民館など造ったって、しようがない。」とか、「図書館など、誰が利用するのだ。」とか、あるいは「中央公園など、ほとんど自分たちは利用していないからあんなものを造ったって、しようがない。」と言われる人も、たくさんいるのです。
 しかし子孫のために、何か残してやれないかなということも、今生きている人間の一つの物の考え方ではないのだろうかなというような気持ちがするわけです。
 確かに、ハイウェイ・オアシスは65億円もかかり、完成するまでには15年くらいはかかりますので、私もそれが完成するまで生きているかどうかは分かりません。しかし、私は、先程も佐藤先生のお話にもありましたが、21世紀の中ごろには九州に抜ける第二国土軸ができるであろうと思っており、その時にこそ、ハイウェイ・オアシスや「ゆうゆうの里」や生活環境保全林を含めた「石鎚いきいきランド構想」というものが、必ずや日の目を見るのではないかというふうに考えております。