データベース『えひめの記憶』
わがふるさとと愛媛学 ~平成5年度 愛媛学セミナー集録~
1 人間生活にアクセントを付けるための知恵の発露である祭り行事の歴史的背景と理念(みんなで楽しく集まって、感謝の心を広げよう)
お祭りのルーツについて、家庭で親と子が話し合う機会も減ってきている。お祭り前に、「新居浜祭りというものは…」と親から切り出すと、親子関係も一層親密になると思う。その際、子供に馬鹿にされるような内容ではなく、少し掘り込んだ内容を親は知っていてほしい。
御輿というのは、大昔、秦の始皇帝あたりが輿にのせられ、一般民衆が感謝の気持ちを表し、賛(たた)えたのが始まりだと言われている。それには番兵が付いていたが、これが太鼓台やだんじりにあたると思う。従って、何のための祭りかということをしっかり考えておきたい。感謝の心を広めていく機会として、祭りがあるということだ。古老の言い伝えによると、新居浜でも以前は太鼓台はなくて、4本柱に大根や菜っ葉などをくくり付けて、みんなでかついでお宮へ行き、「ありがとうございました」と言っていたらしい。
屋台にいろいろな装飾をすることについて中国の歴史を見ると、一番強い想像上の動物として、竜、白い虎、朱い雀、玄武を作り、四方に置いて守らせたようだ。いわゆる四神であり、今でも続いている(例:石鎚神社の旗などにもみられる。)。
中国辺りの故事来歴を勉強しながら新居浜の太鼓台のことを学び、子供に話せるような学習をしていくことが大切であると感じる。