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愛媛学のすすめ

1 これまでの経緯

 「愛媛学」という言葉をはじめて公にしたのは、平成4年10月15日に開催した「愛媛学シンポジウム」においてであったが、愛媛学の構想は数年前にさかのぼる。直接的には、昭和62年11月24日に開催された生活文化県政推進懇談会(愛媛県が推進している生活文化県政の方策について懇談する会)における、人・文化づくり部門委員長の松友孟先生からの「生涯学習センターの付属施設として、愛媛学研究センターを設置してはどうか」という趣旨の提案に始まる。ついで、愛媛県生涯学習センター調査研究委員会(生涯学習センター建設に関して必要な事項を調査研究する会)が、平成元年2月17日「生涯学習センターの整備のあり方について」の中間報告において、「生涯学習センターの機能の一つとして、生涯学習のあり方、生涯学習プログラム及び愛媛県に関して体系的に研究を行う。」ことの必要性を提言したのである。
 この提言を受けた形で、愛媛県生涯学習センター振興課に、愛媛県について総合的に調査研究する部門として、郷土研究科が設けられた。正規職員3名と嘱託研究員6名をスタッフとするこの郷土研究科を中心に、愛媛学の構築を目指して「愛媛県についての総合的な調査研究」が始まった。
 初年度(平成3年度)は、愛媛学の対象・研究方法・視点・目的等について、全国の先進事例を参考にしながら、愛媛学の理論的な検討を行うとともに、地域文化についての調査研究(5か年計画)の手始めとして「瀬戸内の島々の生活文化」をテーマに調査研究を実施した。
 2年目の平成4年度には、「宇和海と生活文化」をテーマに調査研究するとともに、「愛媛学シンポジウム」を開催し、愛媛学構築の必要性とこれからの方向について、広く県民に理解と協力を求め、県民ぐるみによる愛媛学づくりを提唱した。具体的には、この段階から、愛媛学構築に向けて第一歩が始まったといえる。