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えひめ、女性の生活誌(平成20年度)

本書のねらい・凡例

1 目 的
  この調査研究は、永い伝統を引き継いで、激動の昭和を生き抜いてきた人々のくらしに焦点を当て、そのくらしに学ぶとと
 もに、ふるさと愛媛の優れた地域資源を掘り起こし、今後の愛媛の歩むべき方向を探ろうとするものである。また、県民だれ
 でも参画でき、しかも人文・社会・自然の各分野が協力して総合的・学際的な調査研究を行う「えひめ地域学」の構築も併せ
 て目的としている。
  さらに、その成果は、県内各地で行われている生涯学習において広く活用するとともに、「えひめ地域学」の普及・啓発に
 資するものである。

2 本年度のテーマ
  「えひめ、女性の生活誌」

3 テーマ設定の理由
  女性は、家事等により家庭の日常生活の根幹を担うばかりでなく、労働や地域活動においても重要な役割を果たしてきた。
 そこで女性の立場から、生活体験や地域文化を見直し、家庭や職場、地域における女性の生活の変遷をたどりながら、人々が
 日々の生活のなかで脈々と形成してきた素晴らしい知恵や暮らしぶりを明らかにし、生涯学習の一環としてより多くの県民
 に、また後世に伝えるとともに、新しい愛媛の地域社会の創造を図るために選定した。 

4 調査対象地域
  東・中・南予、都市部・山間部、農山村・漁村等のバランスを考慮した結果、調査に関係する地域は以下の16市町となっ
 た。
   【関係市町】
    四国中央市、新居浜市、西条市、今治市、上島町、松山市、東温市、松前町、伊予市、久万高原町、内子町、
    八幡浜市、伊方町、西予市、松野町、愛南町

5 調査研究の視点と特徴
(1)時代的には昭和が中心で、当時を生きた人々のくらしに学ぶという視点から調査した。
(2)現地調査を重視し、生活者の生の声を大切にし、既存の資料に依存することなく、できるかぎりオリジナルな資料をもと
  まとめることを主眼とした。
(3)既存の学問(歴史学、地理学、民俗学等)の調査方法にとらわれないで、より総合的・学際的に調査しようと試みた。
(4) 生涯学習の一環として、県民の皆さんがふるさとの地域調査に気軽に参加していただくために、「聞き取り-語り」を
  重視してまとめた。

6 調査研究方法
(1)文献調査に偏らず、聞き取り調査や実踏調査など現地調査を重視した。
(2)自然科学・人文科学・社会科学等の枠を越えて、学際的なアプローチをした。
(3)学識経験者のみならず、実際に地元で生活を営んでいる方々の協力を重視した。

7 協力者
  今年度の調査には、聞き取り調査や実踏調査に約100人の方々に御協力いただいた。


【凡 例】
 ① 本書は、平成20年5月から12月にかけて実施した現地調査を中心にまとめたものである。
 ② 本文については、常用漢字や現代仮名遣い、新送り仮名の使用を原則としたが、歴史用語・専門用語等については例外と
  した。
 ③ 引用文は原則として原文のまま記載したが、必要に応じ振り仮名を付け、仮名遣いや誤記などを訂正し、(  )書きで
  説明を加えた箇所がある。
 ④ 本文中の年代表示は、和暦に(  )書きで西暦を示した。
 ⑤ 本文中の生物名及び民俗学用語は、原則としてカタカナで表示した。
 ⑥ 本文中の単位は、℃、%、kg等で表示した。なお、尺貫法に基づく記述の場合は、メートル法による換算値を併記して
  いる。
 ⑦ 地名は原則として、その当時の用例に従ったが、必要に応じ現在の地名を示した。
 ⑧ 参考文献等は、各章末にまとめて記載した。
 ⑨ 市町名は原則として、平成20年3月末現在における市町名とした。