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えひめ、人とモノの流れ(平成19年度)

4 しまなみグリーン・ツーリズム

 グリーン・ツーリズムとは、もともとヨーロッパ諸国でアグリツーリズム、ルーラルツーリズムなどと呼ばれていたもので、農村での観光や滞在型の余暇活動のことである。我が国においては農村の地域活性化策の一手段として1990年代から導入され、国内での取組は年を追うごとに拡大している(③)。国内では「西の安心院(あじむ)(大分県)、東の遠野(とおの)(岩手県)」が先進地といわれている。
 グリーン・ツーリズム(以下、GT)の取組によって、都市住民にとっては自然豊かな農山漁村で滞在したり、様々な活動を体験したりすることによって、「いやし」や「やすらぎ」、「ゆとり」がもたらされること、また農漁家にとっては人口減少や後継者不足などの問題を抱えていた地域そのものに新たな活力を生み、所得の向上、雇用の拡大、遊休地の解消などの経済的な効果がもたらされると考えられている。そのため、国や都道府県はGTに取り組んでいる各地域からの要望を受けながら様々な法的な規制を緩和したり、支援を行ったりしている。
 県内でも1990年代ごろからその取組は始まっており、平成19年現在で県内には六つのGT協議会(*12)が設立され、そのうち、喜多(きた)郡内子(うちこ)町、上浮穴(かみうけな)郡久万高原(くまこうげん)町、そしてしまなみ地域が地域をあげた活動の先進地となっている。
 しまなみGT推進協議会は、県今治中央地域農業改良普及センター伯方(はかた)支所(現在は、県今治地方局農政普及課しまなみ農業指導班)が事務局となり、当時の旧9町村の首長と関係課長、そして生活研究グループの代表者によって平成12年(2000年)に組織された(④)。平成17年(2005年)からは、体験実施者をそれぞれの実践部門の長とするスタッフ制へと組織が再編され、会長には伯方町の生活研究グループの代表者である**さんが就き、平成19年6月からは同じく**さんが新会長となった。新旧の会長として活躍されているお二人と協議会のサポート役である県今治地方局農政普及課しまなみ農業指導班に話を聞いた。


*12:県内のGT協議会:しまなみグリーン・ツーリズム推進協議会(今治市)、 愛南グリーン・ツーリズム推進協議会(南
  宇和郡愛南町)、伊予市双海地区グリーン・ツーリズム推進協議会、 久万高原町グリーン・ツーリズム推進協議会、
  NPO法人佐田岬ツーリズム協会(伊方町)、うちこグリーンツーリズム協会である。