１　修学旅行の変遷からみた愛媛の交通

　修学旅行は学校生活の中でも最も思い出となる行事である。現在の文部科学省学習指導要領の「学校行事、旅行・集団宿泊的行事」には「平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化に親しむとともに、集団生活の在り方や公衆道徳などについて望ましい体験を積む(①)」とあり、多くの学校が作成する「修学旅行のしおり」でも、同様のことが述べられている。ほとんどの人にとって、学校生活を振り返る上で、修学旅行は欠かせない思い出であることは間違いない。ともあれ、数百名規模の集団が短期間で旅行するためには、それを支える交通機関の発達が不可欠である。ここでは、特に遠距離を旅する高等学校の修学旅行について、交通機関とのかかわりを中心にその変遷をたどった。