データベース『えひめの記憶』
えひめ、その住まいとくらし(平成17年度)
本書のねらい・凡例
1 目 的
この調査研究は、永い伝統を引き継いで、激動の昭和を生き抜いてきた人々のくらしに焦点を当て、そのくらしに学ぶとと
もに、ふるさと愛媛の優れた地域資源を掘り起こし、今後の愛媛の歩むべき方向を探ろうとするものである。また、県民だれ
でも参画でき、しかも人文・社会・自然の各分野が協力して総合的・学際的な調査研究を行う「えひめ地域学」の構築も併せ
て目的としている。
さらに、その成果は、県内各地で行われている生涯学習において広く活用するとともに、「えひめ地域学」の普及・啓発に
資するものである。
2 本年度のテーマ
「えひめ、その住まいとくらし」
3 テーマ設定の理由
生活環境の変化や核家族化の進行などに伴い、日々のくらしの舞台である住まいとその周辺から伝統的な地域文化が失われ
つつある中で、今日まで、それを支えてきた人々のくらしぶりや伝えられてきた住まいの文化を見つめ直すことにより、伝統
に根ざした新しい愛媛のくらしの創造を図るために選定した。
4 調査対象地域
愛媛には、県内各地にさまざまな生活様式や年中行事、通過儀礼、地域共同組織などが見られるが、その中から東・中・
南予、都市部・山間部、農山村・漁村等のバランスを考慮して、18の市町を調査対象地域とした。なお、市町名は原則とし
て、平成18年3月末現在における市町名とした。
【関係市町】
今治市、新居浜市、西条市、四国中央市、上島町、松山市、伊予市、東温市、久万高原町、砥部町、宇和島市、
八幡浜市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、鬼北町、愛南町
5 調査研究の視点と特徴
今回の調査の視点と特徴を箇条書きすると、次のとおりである。
(1)愛媛の伝統的な地域文化と深くかかわり、それを支えながら昭和を生き抜いた人々の住まいとくらしに焦点を当てて調査
研究した。時代的には昭和が中心で、人々のくらしに学ぶという視点から調査した。
(2)現地調査を重視し、生活者の生の声を大切にし、既存の資料に依存することなく、できるかぎりオリジナルな資料をもと
にまとめるよう努力した。
(3)今回の調査では、「家を建てる」「くらしの中の住まい」「あのころ、そして今」の3つの視点からアプローチを試み、
内容の深化を図るとともに、伝統的な地域文化とくらしのかかわりを総合的に明らかにするようにした。
(4)既存の学問(歴史学、地理学、民俗学等)の調査方法にとらわれないで、より総合的・学際的に調査しようと試みた。
(5)生涯学習の一環として、県民の皆さんがふるさとの地域調査に気軽に参加していただくために、「聞き取り-語り」を重
視してまとめた。
6 調査研究方法
(1)文献調査に偏らず、聞き取り調査や実踏調査など現地調査を重視した。
(2)自然科学・人文科学・社会科学等の枠を越えて、学際的なアプローチをした。
(3)学識経験者のみならず、実際に地元で生活を営んでいる方々の協力を重視した。
7 協力者
(1)愛媛大学教育学部讃岐幸治教授には、「えひめ地域学」の基本的な考え方と、この調査についての全体的・総合的な御指
導をいただいた。
(2)伊予史談会武智利博会長には、調査の計画や方法及びまとめ方等について御指導をいただいた。
(3)昭和を生き抜いた人々のくらしの調査には、聞き取り調査や実踏調査に約180人の方々に御協力いただいた。
(4)調査対象の各市町や教育委員会には、聞き取り対象者の選定や関係市町の資料の収集などの御協力をいただいた。
【凡 例】
① 本書は、平成17年5月から平成17年12月にかけて実施した現地調査を中心にまとめたものである。
② 聞き取り調査の対象者は、当該市町(教育委員会)との協議をもとに、選定したものである。
③ 本文については、常用漢字や現代仮名遣い、新送り仮名の使用を原則としたが、歴史用語・専門用語等については例外と
した。
④ 引用文は原則として原文のまま記載したが、必要に応じ振り仮名を付けたり、( )書きで説明を加えた。
⑤ 本文中の年代表示は、和暦に( )書きで西暦を示した。
⑥ 本文中の生物名及び民俗学用語は、原則としてカタカナで表示した。
⑦ 本文中の単位は、℃、%、kg等で表示した。なお、尺貫法に基づく記述の場合は、メートル法による換算値を併記して
いる。
面積:1坪=約3.3m²、1畝=約99m²、1反=約992m²、1町=約9,917m²
容積:1合=約0.18ℓ、1升=約1.8ℓ、1斗=約18ℓ、1石=約180ℓ
重量:1斤=600g、1貫=3,750g
⑧ 地名は原則として、その当時の用例に従ったが、必要に応じ現在の地名を示した。
⑨ 参考文献等は、各節末にまとめて記載した。
⑩ 市町名は原則として、平成18年3月末現在における市町名とした。