データベース『えひめの記憶』
えひめ、昭和の記憶 ふるさとのくらしと産業27-松野町-(令和6年度「ふるさと愛媛学」普及推進事業)
第1章 昭和の町並みをたどる
松野(まつの)町は愛媛県の南部に位置し、北は北宇和郡鬼北(きほく)町、南から東にかけて高知県、西は宇和島(うわじま)市と接している。昭和30年(1955年)に松丸(まつまる)町と吉野生(よしのぶ)村が合併して誕生した。松野町の名称は、合併以前の自治体名である松丸と吉野生の各1字を採って町名とした。
町域の84%を森林が占めており、耕地は8%に過ぎないことから、「森の国」というキャッチフレーズでまちづくりを推進している。町を流れる広見川、目黒川は四万十川の支流であり、最終的に四万十(しまんと)市の河口に至る。広見川近くには「道の駅虹の森公園まつの」があり、その中に県内唯一の淡水魚水族館である「おさかな館」が平成9年(1997年)に完成した。目黒川上流には、足摺宇和海国立公園に指定されている滑床渓谷が広がり、雪輪の滝は日本の滝百選に認定されている。
本章では、松野町の中心部であり松丸街道の中心地であった松丸と、吉田藩の在町であり宇和島から土佐に入る要地として栄えた吉野を取り上げ、昭和の町並みと人々のくらしについてまとめるとともに、町並みを復元し、当時のくらしの一端を明らかにした。