河辺(かわべ)地域は、雨乞山をはじめ標高700~1,000m級の山地が全域に連なっている。このような立地条件から総面積の80%を超える林野を利用する林業が主産業で、木材を中心にシイタケやクリの栽培が盛んに行われていた。また、近年では冷涼な気候を生かしたキュウリやトマトの栽培も行われている。 本章では、河辺地域で農業や林業に従事した人々の、地域の産業とともにあったくらしや思いについて、その一端を明らかにした。