道は、その利用目的によって官道・生活道・産業道・信仰の道など様々な分類が可能であるが、現実にはそれら多様な性格を併せ持っている場合が多い。信仰の道の一形態としての遍路道についてもそれは同様であり、特に江戸時代に発達した街道との関わりにおいて顕著である。そこで本書では、遍路道を取り上げるにあたって、古代から現代に至る愛媛県内の主な道についても、全般的な概略を述べておきたい。