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鬼北町

井谷正命(1868~1934)

 慶応4年~昭和9年(1868~1934)初代日吉村長・県会議員。交通路の開発に尽力した。慶応4年6月15日、旧吉田藩領宇和郡日向谷村(現北宇和郡日吉村)で、戦国時代から「日吉の宗家」といわれた武門の出の庄屋の家に生まれた。幼名辰三郎。明治法律学校(現明治大学)に学び、明治23年23歳で初代日吉村長になり、27年4月まで在職した。北宇和郡会議長の後39年2月に赤松甲一郎の補欠選挙で県会議員になったが、40年9月満期退任した。村長時代から生涯をかけて南予の交通路開発に献身、宇和島一日吉一須崎線・長浜一日吉線など山岳地帯の日吉を交通の要所にするために奔走した。また私財を投じて日吉実業学校を設立して自ら教鞭をとり、「吾こそは貧しくなるも吾が郷の栄えゆくこそ楽しかりける」の生涯を送った。漢学に秀で、白水と号し和歌を詠んだ。昭和9年10月25日66歳で没した。村民はその遺業を偲んで「井谷正命先生頌徳碑」を建てた。農民運動の指導者で社会党代議士井谷正吉は長男である。(『愛媛県史 人物』より)


①井谷正命先生頌徳碑

①井谷正命先生頌徳碑

北宇和郡鬼北町下鍵山(明星ヶ丘内)

②高砥隧道

②高砥隧道

北宇和郡鬼北町日向谷