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西予市

清水長十郎(1825~1887)

 蚕糸業功労者。文政8年4月18日、東宇和郡卯之町の商家池田屋の次男として生まれた。製茶・蚕糸の業を振興した功労者である。蘭学医の二宮敬作の教えを受けた。文久年間、長崎において日本の製茶が盛んに輸出されているのを見聞し、宇和地方の製茶を改良することを考え、先進地の山城・伊勢・駿河等を視察、私財を出し製茶の技術者を招き、郡内各地に伝習所を設け、良質の茶生産に努めた。また、蚕糸業の振興にも活躍した。明治4年桑園を設け養蚕を奨め,明治7年以降桑苗を育成配布し,明治14年,卯之町に「養蚕伝習所」を設け,小川信賢を迎え、飼育法を伝授し、翌年信賢の女を雇い製糸法を伝習した。宇和地方における座繰製糸の初めである。また、福島県から蚕卵紙を購入し郡内に配布し普及を図ると共に、蚕種の改善に努力をした。清水長十郎旧宅には現在も当時の蚕種貯蔵庫が残存している。明治20年12月15日、62歳で死去し、卯之町光教禅寺に葬られる。なお、大正4年養蚕功労者として愛媛県知事から追賞された。また、大正2年6月東宇和郡農会・蚕種同業組合・茶業組合・その他郡内有志相謀り、卯之町王子神社の境内に「清水長十郎翁碑」を建て、その功績を後世に伝えている。(『愛媛県史 人物』より)

①清水長十郎翁頌徳碑

①清水長十郎翁頌徳碑

西予市宇和町卯之町(王子神社境内)