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東温市

城 ノブ(1872~1959)

 長崎でシーボルトに西洋医学を学んだ城謙三の子として、明治5年10月18日に生まれた。8歳で川上神社の神名石に揮毫していることから、人となりの片鱗を知ることができる。勉学のため男装をして松山へ通ったことも語り草である。17歳で藤野政高・鈴木重遠などとともに政談演説を行っている。18歳で板垣退助と会い、同年(明治23年)廃娼建白書を出している。24年日本メソジスト川上講義所を設立。その後上京、中央で婦人運動に活躍、大正5年神戸に婦人同情会を創立し、転落婦人の更正、母子心中等に適切な指導助言を行い、これらの人を収容した。15年母子寮・愛児園を創設して施設を拡充し更正・福祉に努め、その数枚挙に遑がない。
 昭和2年、京都府下の丹後地方に地震があり、看護婦・保母を連れて罹災者の幼児を預かり、託児所を設けて人々に感銘を与えた。21年兵庫国体には天皇・皇后両陛下がノブの施設を訪問され、単独拝謁を賜わること3回に及んだ。昭和34年12月20日没87歳。墓碑銘には「受けて忘れず 与えて思わず」とある。(『川内町新誌』から)

①川上神社の石碑

①川上神社の石碑

東温市南方(讃岐街道沿い)

②川上神社

②川上神社

東温市南方(讃岐街道沿い)