データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

松山市

桜井忠温(1879~1965)

 小説家。軍人。松山城下の小唐人町(現、松山市)出身。旧制松山中学校(現、県立松山東高等学校)を経て陸軍士官学校に入学、好成績で卒業して松山歩兵第二十二連隊に入隊した。明治37(1904)年、日露戦争が始まると、歩兵第二十二連隊小隊長として乃木希典が率いる第三軍に加わり、第1回旅順総攻撃の際、機関銃で撃たれて瀕死の重傷を負った。奇跡的に助かった忠温は、実践体験をもとに、入院中の病院で小説『肉弾』を執筆し、明治39(1906)年に出版した。悲惨な戦場が細かく描写され、また、そのような状況で戦友を気遣う兵士たちの姿が描かれたこの作品は、世界的ベストセラーとなり、イギリス・アメリカ・フランス・ドイツなど世界中で翻訳・出版され、近代戦記文学の先駆けとなった。
 その後、軍隊に所属しながら、また、予備役編入後も多くの著書を残した。画技にも秀でており、その絵は雅味ある画風と評された。(『愛媛人物博物館~人物博物館展示の愛媛の偉人たち~』より)

【追記】
 桜井忠温墓所:道後鴬谷墓地内

①松山市堀之内の連隊跡の碑

①松山市堀之内の連隊跡の碑

松山市堀之内(市民会館北側)

②連隊跡の碑近くに建つ石碑

②連隊跡の碑近くに建つ石碑

松山市堀之内(市民会館北側)

③旧国立病院四国がんセンター前付近

③旧国立病院四国がんセンター前付近

松山市堀之内(市民会館北側)

④鬼北町日吉神社境内の碑(桜井忠温揮毫)

④鬼北町日吉神社境内の碑(桜井忠温揮毫)

北宇和郡鬼北町下鍵山(明星ヶ丘内)