データベース『えひめの記憶』
西条市
渡部市太郎(1882~1956)
松山中学校卒。吉岡小学校教員、志川小学校長、多賀小学校長。教育功労者として勲七等瑞宝章受章。大正12年吉岡村信用購買組合設立、組合長として25年間組合の運営に精勤し、組合の基礎を確立。昭和18年農林中央金庫より表彰される。村民、氏の労を謝し頌徳碑を建立。没後、胸像を建て遺徳を顕彰する。(『東予市誌 P.1605』から引用)
【渡部市太郎頌徳碑 碑文】
この碑は先生が大正十二年世界大戦後の径済恐慌裡に吉岡村信用購買組合を小さな借家に机一脚で創められてからこの方、激せず弛まず驕らず諂はず地下水的な愛情と確かな科学的足取りで、遂に吉岡村の経済的基礎を確立し、学校、役場の建築から道路改修、耕地整理、山野開墾、肥料配合等何一つ先生の息のかかってゐないもののない事に対する村民一同の感謝の結晶であると共に敗戦後のこの濁ったざわついた空気をこの一角からでも清め静めて行きたいといふ切々たる念願がこめられているのである。勿論この建碑は名利に淡々たる先生にとって、あるいは御迷惑な事かもしれない。然しそれなればこそである。先生が公の時間を一度も一家の私事に使はれず、二十五年間いりこ一升も組合から買って戻ってはくれなかったという奥さんの笑ひ話にも一脈の清風は漂う。我々は痛感する。たとへ時代がどう変らうともいつ何処にあっても必要なのは實に無私達識の人である。
昭和二十二年 明治節あたかも新憲法公布一周年に当たる好日を選んで
吉岡村民一同建
吉田 拡撰
月岡恒巨書
①渡部市太郎先生頌徳碑Ⅰ 西条市上市甲868、周桑農業協同組合 吉岡支所 |
②渡部市太郎先生頌徳碑Ⅱ 西条市上市甲868、周桑農業協同組合 吉岡支所 |
③渡部市太郎先生像Ⅰ 西条市上市甲868、周桑農業協同組合 吉岡支所 |
④渡部市太郎先生像Ⅱ 西条市上市甲868、周桑農業協同組合 吉岡支所 |