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柳谷村誌

第五節 公害対策

 公害は、社会環境における事業活動と、人の活動によってもたらされる災害である。だから社会環境開発の低かった昔は、天災はあるが公害はなかった。たとえ公害発生に関わる要素があったとしても、その要素を無公害とする「自然の浄化力」が大きかったからである。文明は自然の浄化力を黙殺して、公害の魔性をほしいままにするに至った。
 わが村は、「自然の自浄作用」のたくましい地域である。公害を生む事業活動や人の活動が健全であっからであろう。だから公害対策は、軽少な措置でその効果が収められる。公害として掲げられる項目―大気の汚染・水質の汚濁・土壌の汚染をはじめ、騒音・振動・地盤沈下・悪臭などの被害・廃棄物汚穢のうち、わが村にかかわりの深い、水質汚濁防止法と、廃棄物の処理及び清掃法の諸法について、処理・処置を義務づけられる施設について掲げてみる。

 一、水質汚濁防止法(昭和四五年一二月二五日公布)に関するもの
   同法第一条により、工場事業場から公共用水域(仁淀川及びその
  支流黒川ほか諸谷川)に排出する水による水域の汚濁を防止するた
  め、別表第一―五四 セメント製品製造業の用に供する施設。 
   五五 生コンクリート製造業の用に供する施設。 六四―二 水
  道施設のうち浄水の用に供する施設。 七一―三 一般廃棄物処理
  施設のうち焼却施設。 七一―四 産業廃棄物処理施設。 別表第
  四―一、畜産農業の用に供する施設 イ 豚房施設 口 牛房施設 
  ハ 魚類養殖業の用に供する施設。 六 し尿浄化槽(処理人員二
  〇〇人以下)。
 二、廃棄物の処理及び清掃法(昭和四五―一二―二五公布)・柳谷村
  廃棄物の処理及び清掃に関する条例(昭和四八―六―二六制定)等
  に関するもの 「廃棄物とは、ごみ・粗大ごみ・燃えがら・汚泥・
  ふん尿・廃油・廃酸・廃アルカリ・動物死体・その他の汚物不要物
  のうち、固形又は液状のものを指す。

 前記二項目のうち、一は特定事項であるから、それぞれの場合に即して行政措置をする。二は全住民の生活にかかわる一般事項であるから、つぎのように対処している。村は、前記廃棄物のうち、廃棄物排出当事者において、焼却あるいは毒性の中和、消却の処理ができるものは、それぞれ適切に処理せしめる。処理・処置の困難であるし尿・金属類・瓶類・陶磁器等は、上浮穴郡生活環境事務組合(久万町大字露峰字大ヤシキ三一七七番地)の活動事項として、全圏域内巡回蒐集―合法施設において処理している。