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柳谷村誌

一 仕事の唄

   ○田植え唄
 まだ今朝は霧の最中よ 静かに通れや石橋を
 石橋は四十や二のもの それとるのは二十一
 山田の稲はあぜよりかかる 十七ノ八はとのによりかかる
 日は暮れるいぬにいなれず 旦那さんの日はまだなり
 早よ植えよつぼにいるなら よこてでとのごがささやく
 五月水ほどばわれた私 今日は山田の落し水
   ○うすひき唄
 うすも回れよ ひき木も回れ 師走二十日にや ひまをやる
 うすは重たし 相手は眠る 眠る相手なら なけりゃよい
 うすをひくとき 唄わにゃならん 唄でつかれを 忘れよう
 うすよ回れよ 芯とろとろと 掛けたたすきの 回るよに
   ○茶摘み唄
 お茶も摘みます 芯みはどりに 取りて主さんに 飲ませたい
 お茶も摘みしもた 田も植えしもた 後に残るのはしやくのたね 
   ○木挽唄
 木挽や挽け挽け お杣は削れ 深山天狗は 木をかやせ
 木挽さんかよ 向いの山で 今朝も やすりの音がする
 大工さんより 木挽が憎い 仲の良い木を 挽きわける
 大工 木挽は 闇でもわかる けやき もみ つが 風がくる
 木挽さんなら わしやどこまでも ついていきます 竹槍で
 木挽や こんびき こんさやつめりや どこの山でもよー あげをするよ
 木挽や米の飯 三升炊き食ろて のこの柄のような くそたれた
 咲いた桜に だれ駒つなぐ 駒がいさめば 花が散る
   ○馬子唄
 馬よ歩けよ 沓買うてはかそ せめて三島の かたまでも
 遠い山道 鈴の音するが あれは恵原の兼さんか
 三坂越えすりゃ 雪降りかかる もどりや 妻子が泣きかかる
 むごいもんぞえ 明神馬子は 三坂夜出て夜もどる
   ○子守り唄
 ねんねんころりよ おころりよ 坊やの守さん どこえ行た
 あの山越えて 里へ行た 里のみやげに 何もろた
 でんでん太鼓に 笙の笛 それをもろうて 何にする
 吹いたり たたいたりして遊ぶ 坊やはよい子じゃ ねんねしな
 ねんねんころりよ おころりよ