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柳谷村誌

第一章 「政治編」の位置づけ

 「政治編」の書き起こしに当たって、本誌の構想七編の位置づけを試みる。「自然」と「歴史」の両編を「基底編」とし、「政治以下の五編」を「上部構造編」と見る。今日のわが村は、名実共に「一個体」であり、「一生命体」であり、「一生活体」である。そうした単一の存在でありながら、その政治上の名目整備が、二八年前の昭和三〇(一九五五)年まで遅れたことに、あるもどかしさを覚える。詳細は「自然編」に譲るとして、わが村の「自然の成り立ち」を「黒川は県境まで」と個性づけるのは、冒険だろうか。そしてわが村の「歴史の歩み」を、「黒川流域のたたずまい」と個性づけるのは、更に独断を重ねることになるだろうか。こうした視点から、「政治編」にも、「自然」「歴史」の両基底編の個性を踏まえさせて「政治側面の個性化」と位置づけようと試みるのはこれまた、短絡のそしりを免れないだろうか。