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柳谷村誌

第三節 県立自然公園(四国カルストを主軸とする)の草原・渓谷

 夏緑落(広)葉樹林の地肌色から、焼畑つくりによってつぎつぎ移りかたをする傍らで、ただ一つ、なんら変りかたを見せてないのは、四国カルストを主軸とする「県立自然公園」の地肌色と言えよう。今日境を接する町村と共に、「県立自然公園」の指定を受けている広域で、国営大規模草地開発事業・観光開発事業等の進みも伴い、新しい関心を世に示している。
 県立自然公園に係る柳谷の区域は、姫草から五段高原に至るカルスト地形を誇る草原、ミツバツツジ・ブナ林などが群生する大川嶺を主峰とする一団地、甌穴群と渓谷美に充ちた黒川主流域の三地域である。高く平らな頂をもつ山山、深く刻まれた黒川の渓谷、それがわが自然公園の地形の特色である。姫草から五段高原に及ぶ平坦面、そして大川嶺へとのびる標高一五〇〇メートル級の高位平坦面は、掘り下げられた低平な土地が、今の高さまで隆起したものである。隆起した谷川は、若返って、浸蝕風化をはじめ、さらに断層破砕帯などのはたらきも手伝って、黒川の形成を早めたものと思われる。平坦な頂・渓谷・カルスト・洞などの風致特色を活かした、優美・壮美の和合した相を見せている。