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美川村二十年誌

二、面河川

 日野浦の「八幡嶽」と、横山部落の下方一㌔の面河川沿い一帯の名勝を指して呼ばれる「御嶽」は共にすばらしい景観である。特に「御嶽」は「面河渓の前景」ともいわれているが、この付近は山が川に迫って絶璧を作り、その岩壁は四季おりおりに変化し各種の木々が人々の目を楽しませる。春は藤、初夏は川つつじがらんまんと咲きほこり、若葉の緑も美しい。晩秋の紅葉は岩や木に映えて一段と美しい。冬期に枝を伸した木々や岩石に降りそそぐ積雪は小谷にかかる霧氷とともに、一幅の墨絵を見るような自然の芸術である。岩をかむ激流と深い淵が連なり、アメ(ヤマメ)・イダ(イワナ)・ウナギ・アユなども多く、夏は釣り天狗にとってよい漁場でもあり、村人にも愛されている所である。