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美川村二十年誌

二、歯科診療所

 歯科医の設置については、地域住民はもとより広域的な見地からも数年来の宿願の事業の一つであった。このような時、村民中心の政策の一つとして歯科診療所を建設することにより住民の医療福祉の向上をはかり、また過疎対策の一助となることを願い、村、議会を中心に急速な盛り上りを見せ四六年度事業として計画、実施することに決定したのである。
 四六年九月、すでに敷地造成がなされていた役場前に建築することに決定、同年一〇月の入札会で久万町高殿建設(石丸数雄)が落札、総事業費五八〇万円(内、過疎債四三〇万円)で事業に着手、工事も急ピッチで進み四七年三月、御三戸嶽を背景にモダンな建物が完成したのである。
 医師には現代医学を身につけた若い篠崎浩医師を迎えた。歯科診療所運営についてはマスコミが美川方式と報道したように医師にすべてを一任することで、最近各町村が直営事業のなやみの種となっている医師の確保の問題また赤字などの心配もない。こうした歯科診療所として充分な機能を発揮できるような体制のもとで四七年五月八日、診療が開始されたのである。最近よく虫歯が他の内科的な病気を併発する事例が多いといわれている時、この施設の完成によって地域住民の健康管理に大きな役割を果すことになった。