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美川村二十年誌

一、組合のおいたち

 森林は、国土保全上重要な役割を果している。特に我が国のように、地勢急峻な山地の多い国では、洪水の危険を守る意味で特に重要である。
 昭和一五年以前の我が国の森林法は、ただ単に、一般民有林に対して、保安林の保存を重点目標としたものであったようである。第一次世界大戦遂行上、林産物の急激な需要に迫られ、森林組合を設立して、この組合を通じ、ますます増大する軍用資材としての林産物の調達を図る必要上、昭和一五年一〇月従来の森林法が改正され、これにもとづいて、全国の市町村単位に、森林組合が続々設立される運びに至ったのである。森林組合は、森林所有者の人たちが必要性に迫られて、自主的な力で生まれたものではなく、前述のように、法律の定めるところによって、政府の指示にもとづき、所有反別二反歩以上の森林所有者が、否応なく強制加入させられた組織体として出発したものである。