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美川村二十年誌

二、四国カルスト地区、国営草地開発事業

 愛媛・高知の県境(標高一〇〇〇~一四〇〇㍍・面積七〇〇㌶)の四国カルスト地区に乳用・肉用牛の公共育成牧場を開設し、地域畜産振興と広域共同利用を図るこの事業は、国が昭和四一年から四四年度に調査計画し、四五年度を全体の実施計画年とし、四六年度には草地開発事業の着工を予定した。
 草地造成面積五七〇㌶(愛媛県四二四㌶)放牧頭数二六四○頭(愛媛県二〇三〇頭・高知六一〇頭)事業費一六億二千万円であるが、事業の申請および事業実施後の運営管理は東宇和郡野村町と本郡の柳谷村・美川村および高知県二町村が行うことになっており、その事業概要は次の通りである。
 開発の目的  愛媛・高知両県境の四国カルスト地域の丘陵台地に、肉用牛・乳用育成牛の夏季放牧による、育成団地として、公共育成牧場を建設し、県下の畜産振興に資すると共に山村へき地における、国土の高度利用を通じ後進地域の総合開発に資する。
 事業の経緯
(1) 四〇年六月二二日、大規模草地開発草地改良調査計画地域指定申請書が野村町長より提出され、四〇年七月二日知事は農林大臣に申請した。
(2) 柳谷・美川村長より大川嶺の追加申請があり、四一年一月一一日知事は変更申請を行ない、現在の愛媛三町村高知二町村の計五町村にまたがる地域となった。
(3) 四一年一〇月二八日、国有林野管理審議会で草地造成予定地区の国有地等の活用が容認された。
(4) 四三年度で終了予定の調査計画は、一部の調査未了のため、四四年度に持ち越され、調査計画期間が四ヶ年となった。
(5) 四四年一一月、現地測量の結果、七〇〇㌶の草地造成予定面積の確保が確認された。
(6) 四五年度、国において全体実施設計が行なわれた。
(7) 四六年度、国営草地採択基準、七〇〇㌶が五〇〇㌶に緩和され、着工予算六〇〇〇万円が決定し、四六年一〇月二二日野村町に事業所の開設を見るに至った。
 事業計画
(1) 事業年度、四一年から四四年度に調査計画事業を完了し調査計画書を作成する。
   四五年度に全体実施設計を作成し調査計画書を作成する。
   四六年事業に着手し五〇年度に完了する。
(2) 事業の実施と申請書・事業完了後の牧場管理運営者
 ① 事業は国営で実施する。事業の用地提供、事業費の分担等につき、関係町村は、四三年七月に議決ずみ。
 ② 申請者は愛媛県側は野村町・柳谷村・美川村の三町村、高知県は梼原町・東津野村の一部事務組合の予定である。

③ 事業種別事業主体

③ 事業種別事業主体


④ 草地造成面積   ⑤ 道路計画及び実施状況

④ 草地造成面積   ⑤ 道路計画及び実施状況