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美川村二十年誌

四、久万農業協同組合との合併

 順調な伸びをつづけてきた農協事業も時代の波には勝てない。将来の見通しも楽観出来ぬ実情の中で数年来、総会その他機会ある毎に久万農協との合併問題が提起されてきたが、四八年の春を迎えて急速に具体化して合併の運びとなった。この間の経過を表示すると次のようである。
  二・一~一二  各部落別懇談会を開く
  二・一四    臨時総会(久万・美川・面河は合併を承認し、柳谷は否決)
  二・二一    合併促進協議会発足
  三・      美川村農協役員会合併決議
  五・ 一    美川村農業協同組合第二五回総会で合併可決
  五・ 八    設立委員会発足
    合併の基本方針に関する事項
一、合併対象組合
  久万町農業協同組合
  美川村農業協同組合
  面河村農業協同組合
  柳谷村農業協同組合
二、合併の目的
 1、情勢の変化に対応する農協組織の整備強化
 2、農畜産物の生産販売一貫体制の確立
 3、営農の近代化と組合員所得の増大
 4、組合員生活の安定向上
 5、経営基盤の強化による健全な農協の確立
 6、営農生活指導体制の確立
 7、経営管理の適正化
三、合併の日程
 新農協の設立委員会は四八年五月一四日、合併認可申請六月一三日、合併期日七月一日、登記七月二日と定めた。
四、職員の引継
 1、引継の方法
  ア、合併時の職員は新採用方式により全員引継ぐ。
  イ、給与は現状のままで引継ぎ、合併後に均衡調整をはかる。
  ウ、定年は満五五才とする、但し合併時に満五五才を超える職員については合併後一年間の延長を認めることができる。
五、財産の引継方法
 1、固定資産の再評価 固定資産の再評価は原則として行なわないものとする
 2、積立金 旧組合において処理する
 3、剰余金 旧組合において処理する
 4、欠損金 被合併組合で協議し、その措置を決定する
 5、出資一口金額に対する持分調整 新組合の出資一口金額は二、〇〇〇円とする
六、合併契約の基本となるべき事項
 1、合併方法 新設合併
 2、合併基準日以降、合併までの間における財産の移動に対する措置
  (略)
 3、設立委員の、人数および選出方法
   設立委員 三四名(正組合員から選出)
    内訳 久万町農業協同組合  一六名
       美川村農業協同組合   八名
       面河村農業協同組合   五名
       柳谷村農業協同組合   五名
 4、合併当時の役員は、被合併農協の総会で選出された設立委員が、原則として理事又は監事になるものとする
七、定款の基本となるべき事項
 1、組合の名称 久万農業協同組合とする
 2、事業 農業協同組合法およびその他の法令に基づき許された全事業
 3、地区 久万町・美川村・面河村・柳谷村、の四地区とする
 4、主たる事務所の所在地(美川村分のみ)
   上浮穴郡美川村大字東川一番耕地三四番地第一
                 (美川)
   上浮穴郡美川村大字上黒岩四番耕地八〇九番地第五
                 (御三戸)
 5、組合員資格
  正組合員
  ア、一〇㌃以上の土地を耕作する農民でその耕作する土地または住所がこの組合の地区内にあるもの
  イ、一年のうち、九〇日以上農業に従事する農民で、その住所がこの組合の地区内にあるもの
  准組合員(略)
6、出資一口金額および、払込方法、ならびに一組合員の有することのできる出資口数の最高限度。最高限度口数一、〇〇〇ロ、(以下略)
 7、役員の定数、および任期
  ア、理事二八名、監事六名とし、組合長、専務理事各一名、必要に応じて常務理事若干名を置くことができる
  イ、役員の任期は、三年とする、ただし、設立当時の任期は一年以内とする
  ウ、役員の選出方法は、選任制とする
 8、総代会制度の採用
  ア、総代会制度を採用し、総代の定数は、五一〇人とする
  イ、総代の任期は三年とする
  ウ、総代は地区毎に選挙する
 9、事業年度
   事業年度は、毎年四月一日にはじまり、翌年三月三一日までに、終るものとする
 以上が合併の基本的構想であるが、合併の出発は先ず組合員の協力なくては不可能で、二月一日より一二日間、二班編成で、村内二一所で、説明会を開き、組合員と膝を交じえて趣旨を説明し理解を求め、賛同を得た。二月一四目、四ヶ町村の農協が同時に臨時総会を開き、合併と決議、一気に軌道に乗せる計画であったが、柳谷農協が長時間審議の末合併を否決、他の三農協は可決したが、振り出しにもどった。然し合併に対する機運は衰えず、農協中央会の斡旋もあり、美川農協に於ても、二月二一日合併協議会が発足、再出発の道が開けた。
 三月七日の美川農協役員会で、全役員合併に異議なく、決議した。
 五月八日、美川村農業協同組合第二五回通常総会で、第一〇号議案農協合併について、提案審議が行なわれたが、本案について、二月の臨時総会同様、満場異談なく可決され、ここに合併が正式に決った。
    第一〇号議案、農協合併について
(一) 久万農業協同組合経営計画書(案)承認について。
(二) 久万農業協同組合、美川村農業協同組合、面河村農業協同組合、柳谷村農業協同組合の合併承認について。
(三) 久万農業協同組合、合併予備契約書承認について。
(四) 久万農業組合設立委員規定(案)の承認について。
(五) 久万農業協同組合設立委員選出について。
  設立委員会発足、美川農協より次の八名が選出された。
 坂本繁行、高木秀雄、佐藤稔、松浦豊樹、大東義貞、田野正弐、川崎清隆、新谷優
 設立委員と、事務整理及び計画案作成等のため篠崎課長が出向き、審議が行なわれ、七月一日、合併を達成した。

合併の日程

合併の日程


職員の状況(48、1,20現在)

職員の状況(48、1,20現在)


歴代組合長・理事・監事

歴代組合長・理事・監事


昭和47年度 機構図及び職務分担表(美川村農業協同組合)

昭和47年度 機構図及び職務分担表(美川村農業協同組合)


久万農業協同組合経営組織図(合併初年度)

久万農業協同組合経営組織図(合併初年度)