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美川村二十年誌

二、事 業

 農協事業は大別して、指導事業・金融事業・業務事業に分けられる。
 金融事業  貯畜高が一千万円代から、一日も早く一億の単位に達する事が念願で、常に「億」を合言葉に頑張り、組合員の協力を得て昭和三六年、遂に一億円を突破。その後、順調な伸びを示し、二〇年後の昭和四九年には、十億円の大台に乗った。実に一〇〇倍である。
 農業外収入の依存度が高くなるにしたがって、積立貯金の勧誘に努め、昭和四八年三月末で、大幅な伸びを示した。昭和四八年末、久万農協九支所の貯蓄高は三二億円を突破した。
 貸付金  事業のバランスを保ち、かつ地域の産業振興を計る上には、貯蓄の推進に併せて貸付を積極的に伸ばす必要があるが、伸び悩みの実情にある。
 共 済  この事業は農業共済組合の行なう共済事業とは異り、建物共済・生命共済、および共済貸付事業を指すものである。昭和二八年九月、共済事業が発足して以来、全国的に目覚ましい勢いで伸びていった。本村においても、昭和四七年末に保有一九億円、四八年度に一戸平均契約高二二〇万円に達した。この間、農協職員を中心に組合員の絶大な協力を得て毎年一斉推進を実施して、組合員宅の訪問を続けて実績を伸していった。四七年度より一〇倍保障の「大地」を推進、共済事業も大型化時代に入った。
 購買事業  農業生産資材から一般消費材迄すべてのものを取り扱うのであるが、定期便の運行等により、目覚ましい伸びを示し、表に示すように昭和四五年には、一億二、〇〇〇万円台の実績を挙げた。
 また代金決済は事業不振の基になる売掛け制度を廃止して、現金または貯金引落しの方法に切り換えた。そのため事業の停滞が心配されたが、さしたる影響もなく、定期便も順次に運行範囲を拡げて、ほぼ村内全域運行を達成した。こうして組合員へのサービス低下の悩み解消に大きな役割を果した。
 販売事業  販売事業は、水稲・養蚕・畜産・茶が事業の大部分を占める。農業に対する意欲低下は、販売事業へ敏感に響き、水稲の生産調整、畜産(和牛)の飼育頭数減、養蚕の延び悩みなどが輪をかけた格好になり、表にみるように農業収入に比べて、農外収入の依存度が高くなっている。
 然し販売事業は農協事業の本命で、農業所得の向上により、農業の魅力を取り戻す事を本旨とし、合併を機会に「トマト」栽培「ナメコ」「水フキ」の栽培等、従来ある産物と新しい産物と組み合せ、販売事業の拡大に努力している。
 製造事業  製造事業は醤油・味噌こうじの生産から販売迄の一貫事業であるが、味噌こうじについては、四一年の試作が成功して年々重要が増加した。四八年度は三八四石の実績をあげ、今後は合併を機会に全域にわたって普及する傾向で、松山方面からも注文があった。その要望に応えるため、工場の機械化を計り、生産能力の増加に積極的に取り組んでいる。醤油については自然の味の良さが買われ、四八年度二八〇石の実績を挙げた。然し味については高級規格品が良く売れ、標準規格品以下は販売量も一年毎に低下し順次廃止しつつある。
 なお現有施設では合併全域の需要に対応出来ないため、大幅な増設と施設の改善を計画中である。

主たる事業内容

主たる事業内容


農業と農外収入の割合

農業と農外収入の割合