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面河村誌

四 現在の地価

 昭和四十七年(一九七二)、時の首相田中角栄は、日本列島改造論を発表した。しかし、土地政策に事前策がとられなかったため、地価のみが全国的に高騰し、世論の厳しい批判を受け、論議の段階で自然消滅した。これによる異常なまでの土地ブームは、容易におさまらず、全国平均三五・九%上昇、昭和四十七年度の高額所得者の上位は、土地成金が占め、企業の土地買占め、物価上昇が問題化した。
 昭和四十八年、列島改造路線から、総需要抑制政策に転換したものの、依然として土地の高騰は続いた。
 昭和五十四年一月、国税庁は、都道府県庁所在地の、最高路線価格(主要道路に面した宅地の標準評価額)を発表した。これによると、全国都市の最高路線価格は、地価上昇傾向を反映して、軒並みに上り、単純平均で昨年に比べ四・八%の上昇、昭和五十二年以来、三年連続の上昇である。
 全国の最高は、東京都新宿区新宿二丁目の新宿通、二八八万円(一平方メートル)、四国の最高は、松山市大街道二丁目の、六一万円(一平方メートル)、これは全国で第十七位であり、昭和五十二年比、一〇五・二%の上昇である。
 路線価格は、相続税や贈与税の算出基準となるもので、時価の四〇~五〇%がその水準といわれている。
 昭和五十三年七月、愛媛県は地価調査を公表した。宅地は前年度に比べ、二・八%、都市のみならず、農村部でも、上昇傾向を示している。
 宅地の県平均価格は、三万二七〇〇円(一平方メートル)、市街化区域内の宅地の平均価格は、五万九一〇〇円である。最も高い宅地は、松山市湯渡町の六万七六〇〇円(一平方メートル)、商業地では松山市大手町二丁目の、三一万六〇〇〇円(一平方メートル)、面河村渋草学地区は、一平方メートル五七〇〇円である。
 しかし、愛媛県の調査では、国の調査地区周辺の地区は避けているので、松山市大街道、銀天街などは、含まれていない。
 林地の地価公示は、今治市医平山一四〇万円(一反)で県下のトップ、上浮穴郡久万町菅生古床谷口の六万五〇〇○円(一反)、面河村杣野カジリの、六万円(一反)などである。
 参考までに、上浮穴郡内の、主な地価は次のとおりである。
 (1) 宅 地
    久万町字水口       一三、〇〇〇円
    久万町大字畑野川河合    四、〇〇〇円
    小田町大字町村      一二、九〇〇円
    美川村大字東川       八、五〇〇円
    柳谷村大字落出       八、三〇〇円
    面河村字渋草学       五、七〇〇円
(2) 商業地      
    久万町字福井町      一四、七〇〇円
    美川村字御三戸      一四、二〇〇円
    小田町大字町村      一六、六〇〇円
            (以上いずれも一平方メートル当たり)