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面河村誌

(七) 下熊淵

 亀腹から約八八〇メートルの所にある。
 この辺り川幅がいよいよ狭くなり、両岸の山も相接して、その上、樹木はうっそうと生い茂っている。そこに灰黒色で硬度の高い岩石が幅およそ二〇メートルの間に現れて河水の浸蝕に対抗し一深布をつくっている。そのため河はS字形に曲がり、滝壷も著しく発達して深さ一〇メートル、面河第一の深淵をつくっている。右岸の岸頭はちょうど猛獣がロを開いているようで、一奇観である。熊淵という名はこれから起こったものであろう。