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面河村誌

(五) 蓬莱渓

 鶴背橋を渡って三〇メートルのところに蓬莱渓がある。
 この辺り一帯は河幅広く、カエデ・ウラジロガシ・ヒノキ・ツガなどがよく生い茂り、枝葉低く河面に下る。岩石は、白色で大理石のようである。節理はあたかも階段状でその上を透徹清冷な河水が流れ下る様は、四季を通じて面河第一の景といえよう。
 昼なお暗い密林を通り抜け、造林事務所の裏に出ると蓬莱渓である。対岸の植物もうっそうとして、殊に水の清さと岩のおもしろさと相まって確かに面河渓中屈指の名所たるを失わない。