データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

面河村誌

(四) 亀 腹

 五色河原に連続して関門から約一キロの所にあり、この辺りの高度約六八二メートルである。
 最高約一一〇メートルの大断崖は、幅約二〇〇メートルの間連続してそのほぼ中央に垂直に走る凹面で左右の二部に区分され、各部は中央部凸出してあたかもビール樽のようですこぶる奇観である。この大断崖は、平滑でほとんど植物の着生を許さず、わずかにケイビラン・チャボツメレンゲ・イハヒバ・セキコク・ミヤマガンビの類が生育している。
 亀腹に向かって左の水面から五、六メートルの所に炭酸水が湧出し、必ず一日に数回、時には二、三羽、また時には五、六羽の鳩がよく来るので鳩の水と呼んでいるところがある。

註 炭酸水の成因
一 湧出する炭酸水から弐千万年前の石鎚火山の活動を知る手がかりをつかみ、亀腹炭酸水の分析を行なった。
一 亀腹岩壁の足もとから出ており、面河渓を訪れる登山者や観光客から、鳩の水として、ラムネ代用に親しまれている。
         (鳩が見つけたので昔からハトの水と言われている)
一 石鎚山の生い立ちと深い関係がある。普通火山活動を止めた時、そ の名残りとして地下に多量の炭酸ガスを溶かし、炭酸水ができる。
一 この炭酸水も、昔石鎚山が壮大な火山であったことを示している。
   昭和三十三年七月二十日石鎚山系総合学術調査(学説より)
主催 愛媛県・愛媛新聞社
                後援 愛媛大学・県教育委員会
                   松山営林署・西条営林署
                協賛 陸上自衛隊松山駐屯部隊
                   伊豫鉄道株式会社面河山の家
        (中川愛美氏の活動による)