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面河村誌

六 クモ類・多足類

 四国産のクモ類は、二二四種類と記録されているが、石鎚・面河には、その約半分以上、一四六種とされている。
 サンロウドヨウグモは、好洞穴性の代表的なものだが、石鎚山の標高一一〇〇メートル~一六〇〇メートルの地表から発見されている。キヌキリダモも亜高山性の種で、サンロウドヨウグモとほぼ同じ標高のブナ帯でかなり発見されている。ミノグモも面河石鎚山の標高六五〇メートル~一六〇〇メートルの間で少数ながら発見されている。メクラグモは一名ザトウムシ、草の上・落葉の上などを、よたよた歩く気味の悪いクモである。
 ムカデやヤスデなど、一般に多足類と呼ばれるものも、面河・石鎚にかけて約三〇種見つかっている。中には古い地質時代、南方から入り込んだもの、反対に北方から入り込んだと思われるものもいる。
 ムカデとヤスデのその決定的な違いは、その食性にある。ムカデは食用性、毒線を持った「ガク肢」で生きた小動物を捕食し、ヤスデは、専ら腐植性で植物遺体の分解者として生きている。