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久万町誌

6 高齢者教育

  ア はじめに
 我が国における家族制度は、だんだん核家族化し、老後を子どもや孫と共に過ごす大家族主義が姿を消してきている。老齢による身体の欠陥や生活手段の喪失等から、孤独感、経済的・精神的不安を抱かせるのではないかと心配されるようになった。特に農村では、若い労働力が流出し、高齢化社会が一段と進んでいる。そのため、種々の対策を講じなければならないという問題が起きてきた。
 そこで高齢者の社会教育が必要となってきたのである。また、「来たるべき老後をいかに生きるか」は、今日的課題として考えなければならない重要なことがらでもある。
 久万町では、昭和三二年、旧久万に老人クラブが誕生した。その後各地域に老人クラブが結成され、奉仕作業、軽スポーツ、自己研修等に努めている。
  イ 活動内容
 昭和四七年、高齢者の社会教育が遅れていたこともあって、高齢者の集団学習としての久万町明治青年大学を開設した。この大学では、高齢者の持っている知識、技能を、現代感覚でとらえ直すことと、高齢者のコミュニティづくりを進めることにもつながった。この年は久万町独自の予算を計上して開設した。各老人クラブの中で、学習意欲を持っている人を推せんしてもらい七○名の受講者を確保し、年八日間をあてたのである。講座の内容は、健康問題特に長痔の秘訣や、豊かな人生、社会の動きと国民生活のあり方、エチケット、社会における老人の役割などであった。また、一日は自動車を借り上げて、松山方面で現地学習を行い、生涯教育施設などを中心に見学した。参加した高齢者の中には、来年も受講したいと感想を述べるなど意欲に満ちた人も大勢いた。開設当時は、受講生を七○名としていたが、昭和五五年ごろからは希望者が多く一六名を定員とした。しかし、なお希望者が多く各クラブで人選を行っている状態である。他の講座と比べて出席率が大変よいのが、この明治青年大学の特徴である。
 高齢者教室に参加する人たちは生き生きとしており、仲間ができることや、幅広く学習を進めることで自己を豊かにし、町づくりや地域づくりに学習したことを役立てておられる。

老人クラブ設立時期と初代会長

老人クラブ設立時期と初代会長


昭和63年度久万町明治青年大学学習計画

昭和63年度久万町明治青年大学学習計画


昭和63年度明治青年大学役員名簿

昭和63年度明治青年大学役員名簿