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久万町誌

6 実業補習学校

 明治三五年、小学校卒業生を対象にして、青年男女の教養を高めるとともに、実業教育を振興するという目的から、市町村に対して実業補習学校の設置が奨励されたが、実際に久万町で実施されたのは、大正年間に入ってからである。
  大正二年
   久万農業補習学校
   畑野川農業補習学校
   直瀬農業補習学校
  同五年
   父二峰農業補習学校
  同六年
   明神農業補習学校
   久万実科女学校
  同九年 菅生農業補習学校
  同一四年 久万・菅生農業補習学校の合併。
 以上の農業補習学校は、それぞれの所在地の尋常高等小学校に付設された。
 学則などは、学校によって若干の違いはあったが、おおむね次のようであった。
   ○○村(町)立農業補習学校学則
        第一章 総  則
第一条 本校は実業補習学校の規程に依り小学校教科を卒え、農業に従事する者に対し農業に関する知識・技能を授くると共に国民生活に須要なる教育をなすを以って目的となす。
第二条 本校は○○村(町)○○農業補習学校と称し○○尋常高等小学校に併設する。
第三条 本校に男子部及び女子部を置く。
       第二章 修業年限
第四条 本校の課程を前期後期に分つ。
第五条 修業年限の前期後期とも二か年とする。但し尚学習せんとする者に対しては一定の期間之を在学せしむべきことあるべし。
       第三章 科目、学課程及び教授時数
第六条 本校の学科目、学科課程及び一学年間の教授時数は次の如し。
       第四章 教授の時刻、季節及び休業日
第七条 本校の学年は四月一日に始まり翌年三月三一日に終る。
第八条 本年の学年を分ちて左の三学期となす。
    第一学期 四月一日より八月三一日
    第二学期 九月一日より一二月三一日
    第三学期 一月一日より三月三一日
第九条 本校の教授季節・日数・時数は次表の通りとする。(男子部は夜間七時半より一〇時半)女子部は昼間(午前九時より午後三時迄)授業を行なうを常例とす。但し、学校長は時宜により変更することあるべし。
第一〇条 本校の休業日は左の如し。
     1、大祭日 2、鎮守例祭日 3、日曜 4、夏期休業(八月一日より八月三一日まで) 5、冬期休業(一二月二五日より翌年一月七日まで) 6、学年末休業(三月二七日より三月三一日まで)
       第五章 入学及び賞罰
第一一条 生徒の入学は毎年の初めとする。但し、学校長は臨時入学を許可することあるべし。
第一二条 本校に入学することを得る者は前期にありては尋常小学校卒業者及び之に準ずべき者、後期にありては前期卒業者並びに高等小学校卒業者及び之に準ずべき者とす。前二項以外の者は其の経歴又は試験により担当学年に編入す。
第一三条 本校に入学せんとする者は親権者、後見人、雇傭主連署の上入学届書を学校長に差出すべし。
第一四条 本校生徒にして退学せんとする時はその理由を具し、親権者、後見人又は雇傭主連署の上学校長に願出すべし。
第一五条 学校長は品行方正学力優等等又は精勤なる生徒に対し褒賞することあるべし。
第一六条 学校長は不都合の行為ある生徒に対して戒告、謹慎又は、停 学を命ずることあるべし。
       第六章 修業及卒業
第一七条 本校生徒の修業及卒業は生徒平素の操行、学業成績及び出席 日数を考査して之を認定する。
第一八条 学校長は前期若しくは後期の卒業者に対して下記の様式の卒業証書を授与する。
          卒 業 証 書
   校印            氏     名   
                 生 年 月 日
  右の者本校に於て前(後)期修業年限
  二か年の課程を卒業せしことを証す。
  第   号          年  月  日
                 ○○農業補習学校長  氏 名印

       第七章 授 業 料
第一九条 授業料は之徴収せず。
         附   則
 本則施行上必要なる細則は学院長之を定む。本則は大正二年一一月二七日より施行する。

農業補習学校の科目、学科・課程及び年間教授時間数

農業補習学校の科目、学科・課程及び年間教授時間数