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久万町誌

一二 除・間伐緊急対策事業

 森林の健全化に欠かせない除・間伐を促進するため、本町は三ヶ年(昭和六一~六三年)計画で「除・間伐緊急対策事業」を実施した。町独自の除・間伐推進員を設置して指導にあたる一方、除・間伐費の補助をする。町独自の推進員制度は県内で初めてであった。
 戦後続けた造林で人工林率は九〇%近くに達し、大半が除・間伐の必要な林齢に達しているが、木材不況、経費の高騰などで林家の除・間伐意欲は低下する一方であった。国の事業として新間伐促進総合対策事業などで林道や除・間伐の補助をしているが、実施面積はまだまだ不十分な状況。町は国の制度と連動させながら単独事業をすることにした。
 町では、既に県が委嘱した間伐推進員がいるが、これとは別に、町全域で六〇名の推進員を置いた。
 推進員には、町内の林研のリーダーや篤林家を委嘱。林家への啓蒙、助言や間伐経験の乏しい林家の個別指導などにあたった。
 林家も今までになかった町単事業だけに、すぐ対応し、事業に取り組んで計画面積を二〇%も上廻る成果をみた。なお一ヶ年の町費一〇〇〇万円、三か年で三〇〇〇万円を当てた思い切った事業となった。この事業によって雪害等に強い林作りをしようとしていた矢先に大きな雪害を受けた。