データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

久万町誌

一〇 久万町製材業流通懇話会の発足

 昭和六〇年一月、町内製材業、森林組合、町が連携して「久万町製材業流通懇話会」を発足させた。今まで業者でまちまちだった製材品規格を統一し、地域全体で久万産材のブランドを確立、大量消費地に対応できる共販態勢を整えようとするもの。「育林の久万」といわれる久万林業をもう一段引き上げるための活動として期待する。
 町内にある九製材業者は顧客や販売面でそれぞれ独自性を持ち、「一国一城の主」でやってきた。製品にすれば売れた。しかしオイルショックなど実質価格が低迷、時代に即応した共販でなくてはやってゆけないとの危機感が漂っていた。業者間で機が熟し、町が呼びかけた懇話会は業者全員が出席し初めてテーブルについた。そして一月一回の定例会を開いて学習を始めた。
 事業は①久万材の加工、流通に関する調査研究、②需要拡大、開発、情報に関する研究、③加工技術の研究、④後継者、人材確保育成を行うこととした。
 まず始めの具体的な取組みは、製材品に刷り込む統一マーク作り、県森連流通センターでの久万産材の記念市と消費地へ向けての流通開発のため、同年九月より東京材木市場へも毎月一五〇立方㍍の一般材を継続出荷して今日では久万材の知名度も上がりつつある。時には大工、工務店から声がかりもする。業者間で違う多様な取引き先など垣根はまだ高い。しかし久万材のブランド作りのための民間と行政が一緒になってやろうという意識統一はできた。