データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

久万町誌

七 久万材にボタン材

 昭和四六~四七年ごろより奈良県、和歌山県などスギの優良産地に変色材が多くみられ、市場で材価に影響があって、この変色材の原因と対策について、京都大学に研究依頼をした。
 京大では主要な全国のスギ生産地を調べてみると、程度の差はあれ各地に変色材(ボタン材)を確認、昭和四八年度より国の学術研究助成課題として認められ四国では上浮穴地方が対象地域となった。
 調査の組織については、町と京都大学で協議がまとまり、京大森林生態学堤助教授、森林経理学森田助教授、熊本大学木材理学大迫助手で調査班が編成され、地元から岡譲と、相原佐加雄が参加、県森連久万山市場等の協力を受け、山と市場と製材工場を結ぶ実状調査が一か月にわたって行われた。
 調査の結果、各市場に出荷されている木材の調査、実際山林の立木を四〇〇本程度伐倒したものをみても、久万地方のスギ材にもかなりボタン材が確認されている。
 この原因はなにかということについて、土地条件、品種、生長の良否、値付本数と間伐の時期、風の被害、雪害、枝打ち技術と時期など色々な問題とのからみ合いがあること。特に久万地方は将来におけるスギ、ヒノキの優良木材主産地づくりを目標として、かなり集約的労働力を注ぎ込む施業を一貫してするよう指導もしているだけに、外観は見事な木材でも製品にすると、中身は不良のボタン材が出ないようにするにはどうするか、専門の立場から指導があり、この事から町内にボタン材をつくらない枝打ち技術の再教育が行われた。