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久万町誌

四 久万町木材流通合理化審議会発足

 昭和四六年、久万町は町議会議員、森林組合役員、県職学識者等を委員として久万町木材流通合理化審議会を発足させ、久万材の流通諸問題について、研究討議を重ねた。業界から強い要望により森林組合、業者の協同資本による優良材製品センター設置構想があって設立準備会開催まで至ったが、合同による会社運営はその本質的基盤の相違などの問題があり、結局業界の足並が揃わぬまま、この構想を一歩前進させ、総合的な流通合理化計画基本構想を樹立し、農林工業導入促進法の適用を受け、国、県の指導助言を受けながら木材工業を久万地方の重要産業として進めてゆくよう答申が出された。
 昭和四七年、同審議会の基本構想を受けて、久万町工業導入専門委員会を発足し、次のような認識にたって方針をかためた。久万町は、集約施業による良質材生産の体系が広く一般に普及し久万林業として全国的に知られているが、現状では、素材総生産量の二〇%が久万材としての優良材であり、八〇%は一般材である。
 しかし年次的に良質材が増加していくと見込まれるが、現状のような木材価格の低迷が将来も続くとすれば折角の良質材生産体系が頓挫をきたすと同時に町の主力産業である林業の停滞は、町経済発展の根幹から崩壊させる結果にもなる。
 この観点から従来の素材販売中心の流通から、製材加工、更に第二次、第三次加工を含めた木材の工業化を進めようとした。
 この計画は、積極的に進展し、昭和四八~四九年に木材工業導入用地の買収にとりかかり、約一〇㌶の土地の買収をした。その一角に新林業構造改善実験事業で、久万町森林組合の事業主体で、国産材加工施設を建設することになり、昭和五五年土地造成に着手し、施設は五六~五七年に整備完成させた。