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久万町誌

5 お宮参り

 生後三三日目に産土神に初めてお参りする行事である。男の子は三二日目に行った。
 男の子にはのし模様の着物を着せ、女の子にはのし模様の振袖の着物を着せた。もっともこれは裕福な家庭のことである。
 お宮参りは父親が子供を抱き母親とともに行った。このときともに行かなかったら母親は、七五日を過ぎるまでは氏神様の境内の土を踏んではならないとされていた。
 拝殿の前では、子供の前途を祈願した。子供は氏神様へあいさつとして泣かされた。泣き声が氏神さまへのあいさつとされていたため、泣かないときはなんとかして泣き声をあげさせたものである。また、子供に素足で境内の土を踏ませた。
 なお、この日に赤飯を炊いて産着をもらったうちへくばり、産着返しとした。赤飯を「祝い重」につめ、ごま塩をつけ、ナンテンの葉をのせてふたをし、上からふくさでおおい配ってまわった。
 お宮参りの着物は背縫いのあるものは禁止された。これは一人前になったとき、ひとりだちするための儀式として行われたものである。