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久万町誌

4 雨ごいのおかめ様

 久万町二名の亀ヶ谷におかめ様という神様が祭ってあります。
 昔、近くに住んでいたおじいさんが、山にかめがころがっているので拾って帰ってきました。そうしたら夜中になってそのかめが、
「亀が谷にいぬる、いぬる」
といい出しました。それでおじいさんは気味が悪くなって、じきにまたそのかめを元の所へ返しに行きました。
 そうしたら不思議なことに、にわかに空がくろうなって雨が降り出しました。今まで日照り続きで村々の人たちみんな困っていたものですから、大喜びをしました。
 おじいさんが返しにいって置いた時に割れたものか、祭ってあるかめは今割れていますが、雨ごいの神様として知られ、日照りにはお参りをしたりしているということです。
 また、このかめのかげらにたまっている水は、いくら日照りが続いても絶対にかれることはないといわれています。