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久万町誌

五月

 1 端午の節供
 五日は端午の節供といい、男児の生まれた家は鯉のぼりを立てて祝う。主に嫁の実家、近親者や知己より鯉のぼりがおくられる。また英雄やよろいかぶとなど勇ましい染め抜きの絵のぼりなどがおくられ、ともどもに立派な男児になることを願った。この日は家内中仕事を休んで白米飯を炊き、柏餅を作って祝う。
 なおこの日は、菖蒲と萱とよもぎを束ね、屋根の上に投げ上げたり、菖蒲湯にはいったり、頭や腰などに菖蒲を巻いたりして無病息災を願った。
 ショウブ、ヨモギ、カヤはともに根強く繁茂する植物で、特にショウブは武家時代には勝負に強いといって尊ばれたという。屋根も草屋根しか許されなかったので、菖蒲や萱のように強くあれということで投げ上げられたものであるが今なお行っている家もある。