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久万町誌

2 年貢と祈願

 上納米は郡奉行が決定した。それは奉行の独断ではなく、庄屋が立ち会って役人といっしょに、地の利、水利、表土などを克明に調べて反当(約一〇㌃)五俵できると認められれば、この田を二〇代地と決め、これを基準にして順次査定していった。
 上納米はその年の豊凶にかかわらずきめられた石高を上納せねばならなかったのでその年に稲の病気や害虫が発生したり、風害、干害などの被害があったりすれば当然食糧がなくなり、想像をもおよばぬ、苦しい生活を送っていた。
 今日のように、科学的な防除の方法を知らない当時の農民が、雨ごい、虫おくりなど、神仏に祈願をする行事を考え出したことは当然のことである。