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久万町誌

5 名勝「菅生山」

 菅生山大宝寺境内は、金山スギ、ヒノキを主とする大森林で、特に参道には、樹齢何百年にも及ぶ見事なスギが立ち並んでいる。
 参道石垣のユキノシタの群生、オカメザサ、寺の下のマダケのほか、ススダケ、オモゴザサ、ネザサも見られる。
 谷川沿いには、ガクウツギ、モミジガサ、カシワバハグマ、茎に毛があり、毒性の強いイラクサ、クスノキ科のクロモジノキ、ヤマコウバシヤブニッケイ、シロダモをはじめキブシ、カナクギノキ、エゴノキ、ニワトコ、アブラチャン、サワフタギ、エゾエノキなどが多い。
 野草では、草たけ二㍍にも達するタケニグサからホソバヤノネグサ、ホドイモ、小植物には、ニシキソウ、マメ科ではタンキリマメ、ノササゲ、マキエハギが、谷にそって上ると、シャガの群生、クラマゴケ、ミズタビラコ、ウワバミソウ、ツリフネソウなどもある。
 シダの類は、実に豊富で、子のうのつきかたに特色をもつイヌワラビ、ヤマイヌワラビ、大型のシダでは、葉がひし形のイワヘゴ.矢はず形のタニヘゴ、仮葉と実葉のあるイヌガンソク、これらのほか、ゼンマイ、ヤシャゼンマイ、フモトシダ、シケチシダ、ホシダ、キジノオ、ゲジゲジシダ、シシガシラ、ヤブソテツ、ノキシノブ、ホソバシケシダなどを見ることができる。
 寺の近くには、キツネノボタン、ケキツネボタソ、アカソ、コアコソメヤブマオ、カラムシ、キクのなかまを思わせるシュウメイギク、木にからまるアケビ、オオツヅラフジ、ミツバアケビ、クズも多い。
 スギ、ヒノキ、ケヤキ、エノキ、エゾエノキの下草には珍しいアカノママ、グロテスクなマムシグサ、ヤマジノホトトギス、タマガワホトトギス、ヤマガシュウ、珍しいコショウノキ、葉に光沢のあるミヤマフユイチゴ、黄色の花のハマカンギク、サワギク、コメナモミ、アキノキリンソウ、ヤブヘビイチゴ、ホソバリンドウ、コオトギリ、コフウロウ、実が衣服につきまとうヤブジラミ、ヌスビトハギ、下葉の大きいヤブハギ細長いコウヤボウキなどがある。ここから峠御堂へ出ると、葉の下部にシュロ状の毛のあるシュロソウが自生している。