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久万町誌

4 大除城址

 人除城址の山の斜面には、淡黄色の花が咲くヒカゲツツジが群生している。五月初旬の花のころには、山の斜面が黄色く色どられて見事な景観を示す。
 このあたりでは、この城址にヒカゲツツジが特別多いことから、人よんで、「直昌ツツジ」といい、「大除城の三代目城主直昌の生まれ変わりしもの」とのいい伝えがある。
 また、赤い実をつけるソヨゴ、コバノガマズミ、紫色の実をむすぶ、ヤブムラサキのほか、イヌツゲ、ミズキ、エゴノキ、ホウノキ、アキニレ、ハルニレ、ヌルデ、ケヤキ、ナラ、クリなどがある。特に、ここでは皮の厚いアツカワコナラが珍しい。
 山麓の湿地には、梅雨のころ黄色の花を咲かせるキスゲが多い。夕方開花するところから別名ユウスゲともいう。また、この辺一帯には、ヒガンバナも多く、細長い芽の先端に赤いたいへんはでな花を車輪状に咲かせる。