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追刊 中山町誌

第三節 国民健康保険

 国民健康保険は相互扶助の精神にのっとり、自営業者や農業従事者等被用者保険に加入していない市町村民を対象として、病気、けが、出産及び死亡の場合に保険給付を行う社会保険制度である。
 国民健康保険制度は、昭和一三年の国民健康保険法の制定に始まるが、当時の国民健康保険制度は医療の普及、保健の向上、生活の安定に資するため、相扶共済の精神を受け入れやすい市町村などを単位として任意の自治的な国保組合を組織させ、地方の実情に応じた保険事業を運営させることとしたものであった。
 しかし、時代の推移とともに制度の存続が危ぶまれるに至ったため二三年に制度の根本的な改正が行われ、任意の国保組合から市町村公営の体制に切り換えられ、また国の財政援助を強化するなどの措置がとられた。
 その後も、幾多の改正を経て充実発展してきたが、三二年度に至り、国民皆保険計画が策定され、健康保険を主軸とする被用者保険と地域を単位とする国保の二本建てでこの計画が推進されることとなり、国保事業を市町村の義務的事業とするとともに国の責任を明確にし、療養給付費等に対する国庫負担制度の改善と調整交付金制度の創設、事業内容の統一等を内容とする新国保法が三三年一二月に交付され、三四年一月から施行された。
 新法施行後も、療養給付費補助金の補助率引き上げ、世帯主の七割給付実施、高額療養費支給制度の創設などの給付改善が行われた。その後も、医療費の増嵩、急激な高齢化社会の進展等に伴い、昭和五八年には老人保健制度の創設、昭和五九年には、退職者医療制度の創設により老人医療の一部有料化と他保険との財政調整が実施された。
 平成一二年四月から介護保険制度が始まり、老人医療とは別建ての制度ができたが、依然として人口の高齢化などによる医療費の増加と景気低迷による保険税収入の伸び悩みにより医療保険財政は厳しい状態となっている。
 このため、平成一四年一〇月から、老人保健制度の改正による受給対象年齢の引き上げ、一部負担金の見直し、また平成一五年四月には健康保険本人の一部負担金の割合が二割から三割に引き上げ等が実施された。


表5-15 中山町国民健康保険加入状況

表5-15 中山町国民健康保険加入状況


老人保健制度における一部負担金の推移

老人保健制度における一部負担金の推移


老人医療費の推移

老人医療費の推移