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双海町誌

第五節 公園・緑地の整備

 本町の公園は、公園としての立地条件を備えた恵まれた地域でありながら、昭和時代までは未整備の八景山公園があるのみで、これといったものはなかった。
 平成に入って本町の公園計画は、「すぐ海、すぐ山」の自然条件と、県都松山から二五キロの交通条件、松山経済圏域という地理的条件を十分に生かし、定住と交流という本町活性化の期待を担って推進された。
 公園計画は大きく分けると、①八景山を中心とした「ふたみ潮風ふれあい公園」(ふるさと公園も含む)、②灘町西海岸を中心とした「ふたみシーサイド公園」③豊田漁港の整備に合わせた下灘地区の公園化計画の三つがある。いずれも海と山を結んだ一体の公園計画である。

一 ふたみ潮風ふれあい公園の整備
 町民からの要望が強かった「ふたみ潮風ふれあい公園」は、運動公園の性格を持ち、海の見える公園として、一九九一(平成三)年度から整備が開始された。
 一九九五(平成七)年度に完成した同公園は、眼下に雄大な瀬戸内海の眺望が開け、起伏に富んだ山間の交流拠点となった。園内には、テニスコートや芝スキー場などのスポーツ施設や、展望台・多目的みどりの広場などのレクリエーション施設も完成した。
 公園内には宿泊のできる体験学習施設「潮風ふれあいの館」もあり、町内外の人たちの学習に供されることになった。
(事業概要)
・事業年度 平成三年度~平成七年度(ふたみ潮風ふれあい公園造成整備工事)面積一二万二二七六平方メートル
 平成五年度(ふたみ潮風ふれあいの館建設工事)
・主要施設
みどりの広場   面積一万五〇〇〇平方メートル
テニスコート   全天候人工芝 五面
芝スキー     ゲレンデ面積 一六九九平方メートル
展望台      鉄筋コンクリート造二階建
遊具        一七基
潮風ふれあいの館 木造二階建、床面積四一四平方メートル、延面積六八〇・五平方メートル
・事業費  総事業費 約一五億円(中山同地域総合整備・新農村地域定住促進事業、地域総合整備事業債、町単独事業による)


二 ふたみシーサイド公園の整備
 伊予灘に面し、海岸線一六キロを有する双海町は、その前面に防予諸島や中国地方をはるかに臨む。その海を茜色に染め吸い込まれるように沈んでいく夕日は、四季を問わず神秘的で人の心を魅了し、大自然のキャンバスを思わせる。双海町は若者たちのデートスポットとしても脚光を浴びている。
 この公園は、延長三〇〇メートルの人工砂浜を整備しており、近隣市町村からキャンプや海水浴客が訪れ、夏は特に賑わっている。
 「ふたみシーサイド公園」整備事業は、県都松山市から二五キロの地の利を生かして、双海町ならではの景観をアピールし、双海町のイメージアップを図ることを目的として計画された。幸い、国道三七八号の改良に伴って、交通量が急増していることも計画の促進に拍車をかけた。
 整備事業は、灘町西海岸の埋立地を利用して一九九〇(平成二)年度から開始され、一九九四(平成六)年度までに夕日のミュージアム、なぎさの交流センター、イベント広場、観光物産センター、人工海浜、砂の流出防止の人工島、恋人岬、駐車場などが整備された。そして、一九九四(平成六)年に「道の駅」の指定を受け、町内の交流の拠点として、特産品の販売をはじめ、情報発信基地の機能を発揮した重要な施設となった。将来はマリーナ等の整備も図って、「定住と交流」のまちづくりを更に推進していく予定である。
《事業概要》
・事業年度 平成二年度~平成三年度(埋立造成工事)
      平成四年度~平成六年度(建屋建設工事)
・施設面積 公園面積 一万一六一七平方メートル
      駐車場面積 二九〇〇平方メートル
・主要施設
 なぎさの産業交流センター  (六九一・五五平方メートル)
  (一階)イベントホール   一二四・六六平方メートル
      展示コーナー    一四六・一五平方メートル
      加工実演室      三一・四六平方メートル
      事務所        二九・二五平方メートル
      便所         六八・二五平方メートル
   実演コーナー      九〇・一四平方メートル
(二階)レストラン     一八二・二〇平方メートル
   通路(橋)       一九・四四平方メートル
   夕日のミュージアム (三八一・六八平方メートル)
(一階)展示室       二九四・八一平方メートル
   収蔵庫          八・二〇平方メートル
   便所          一三・三〇平方メートル
   通路          四一・九四平方メートル
   事務室         一一・二八平方メートル
   機械室         一二・一五平方メートル
・起債事業名 自治省地域総合整備事業債(まちづくり推進事業)
・事業費 九五・九百万円(埋立造成工事)
    八五八・二百万円(建屋建設工事)
 なお、埋立造成工事・西防波堤工事・東防波堤工事・中防波堤工事・緩傾斜護岸・人工海浜養浜工事(潜堤工事を含む)などは、国道整備事業や高潮対策事業、水辺空間整備事業などの合併事業として、愛媛県が事業主体となって行った(約一五億円)。


三 下灘地区の拠点整備
 下灘地区は、「すぐ海すぐ山」というほど、平地のない地域である。計画海域が豊田川をはさんで建設省海岸であったこと、さらには海域内地先には高潮対策のために離岸堤が設置されていることなどを理由に、事業採択の国と県のハードルは高かった。しかし、町長や議会を中心にした熱心な陳情や運動が実り、計画は採択され、下灘漁協も総会で漁業権の放棄を決議し、支援体制が敷かれた。漁港区域の拡張は、町内他漁港区域の短縮しか方法がなく、高野川漁港の短縮案が出された。伊予漁協は伊予市分六〇〇メートルの短縮同意、上灘漁協は伊予市分六〇〇メートルのうち三〇〇メートルを下灘移転、残り三〇〇メートルを上灘漁港東側移転でそれぞれ同意した。
 下灘地区の開発は、豊田漁港の整備に合わせた公園化計画で、漁具倉庫・野積場用地・加工場用地・産業廃棄物置場用地・将来の下水化計画用地などを第一線用地に配置して外郭施設で囲い、園内道路・釣り場・多目的広場・体育館・コミュニティセンター・子どもの広場などを順次整備した。
 五〇億円を超えるビッグプロジェクト事業は、下灘地区の様相を一変させ、豊田漁港は、震災などの災害時にライフラインを確保する海上からの基地として、防災拠点港にも指定され、防災に強い漁港となっている。

(1) 豊田漁港の修築事業
事業年度 平成六年度~平成十四年度
主要施設
事業費 三、九三七、八〇〇千円

(2) しもなだ運動公園施設の整備事業
グラウンド整備、トイレ棟、倉庫棟
事業年度 平成十年度~平成十一年度
主要施設
事業費 二五〇、〇〇〇千円
照明設備・給水施設・植栽・遊具設置
事業年度 平成十一年度
主要施設
事業費 一〇六、五二〇千円

(3) コミュニティ施設の整備
下灘コミュニティセンター
事業年度 平成十一年度~平成十二年度
主要施設 鉄筋コンクリート造 二階建 一、五六一・九九平方メートル
事業費 五一一、二五〇千円

しもなだ運動公園体育館
事業年度 平成十二年度~平成十三年度
主要施設 鉄筋コンクリート造 一部木造二階建 一、四三六・〇平方メートル
事業費 四七六、二〇〇千円


豊田漁港 主要施設

豊田漁港 主要施設


しもなだ運動公園 グラウンド整備、トイレ棟、倉庫棟 主要施設

しもなだ運動公園 グラウンド整備、トイレ棟、倉庫棟 主要施設


しもなだ運動公園 照明設備・給水施設・植栽・遊具設置 主要施設

しもなだ運動公園 照明設備・給水施設・植栽・遊具設置 主要施設


下灘コミュニティーセンター

下灘コミュニティーセンター


しもなだ運動公園体育館

しもなだ運動公園体育館