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双海町誌

第四節 河川の整備

 双海町には、上灘地区の中央を東西に流れる上灘川、下灘地区の中央を流れる豊田川のほか、二〇余りの河川がある。(なお、県管理の二級河川は、次の三項の本町の河川・指定区域を参照)。それぞれの河川には、治水的整備のための砂防地が指定されている。整備に関しては、自然環境を損なわない配慮と、水辺の快適空間としての活用が考慮されている。


一 上灘川の改修
 上灘川ではこれまでにも、環境庁「ふるさといきものの里」に選定されたのを機に、環境に優しい河川改修が行われてきた。
 特に二瀬橋(上灘中学校付近)より上流五一メートルに及ぶ区間は、一トン内外の自然石が積まれ、別称「ほたる護岸」として親しまれている。
 地区住民によって毎年行われている河川一斉清掃活動、ホタルの養殖活動など、ほたる保存会を中心とした住民主導による地道なホタル保護活動は、行政をも動かし河川改修などのハード事業を誘発してきた。県下に先駆けて双海町が制定した「ほたる保護条例」や愛媛県指定「川の里親制度」への取組みなどのソフト事業も、河川愛護運動として特筆されるものである。「ほたる保護条例」(昭和六十三年十二月二十日制定)の内容は次のとおりである。
 また、二〇〇一(平成十三)年には上灘川の土屋橋から大栄橋までの間、約三二五メートルの河川改修事業が開始された。
 改修計画区間は、ホタルの里として当地域住民がその保護活動を盛んに行っており、毎年六月には河川に隣接する翠小学校を会場にしてほたる祭りが開催され、多くの人々が河川と親しんでいる。
 このため計画に当たっては、これらの地域の特性や環境等を考慮し、親水性が重視された。空石積護岸工事で実施され、そのうちの一部は緩傾斜勾配となっている。
 ・事業概要
  空石積護岸工L=三二五メートル
  橋梁 一基
  取水堰 一箇所
事業費 約一億八〇〇〇万円
事業期間 平成十三年度~平成十六年度


二 豊田川の改修
 豊田川の改修は、一九七〇(昭和四十五)年の台風一〇号による大災害の復旧工事として翌年から約三年間をかけて行われた。奥東の豊田川沿いには、この工事の完成時に建てられた災害復旧碑がある。その碑には、「昭和四十五年八月二十一日台風一〇号により未曽有の豪雨に見舞われ豊田川流域は原形を留めぬ大災害を受く 直ちに国県町の協力に依り復旧に着手 一億二五〇〇万の巨費を投じ部落民の悲願茲に完成す 昭和四十八年八月吉日奥東部落」と刻まれている。
 当時の復旧工事により、コンクリート三方張りによる水路状の河川となった。一九九七(平成九)年、環境に配慮し安全面にも重視した河川にしてほしいという地元住民からの強い要望により、翌年の平成十年より一トンあまりの自然石を用い、落差溝や川床への植石などによる改修がはしまった。二〇〇〇(平成十二)年に総工費三三五〇万円、総延長六六八メートルの工事が終了した。
 今では小魚の遡上もあり自然のありのままの姿に一歩近づいた河川になっている。


三 本町の河川・指定区域
次に、双海町の河川一覧表と砂防指定地一覧表を示す。


双海町ほたる保護条例

双海町ほたる保護条例


双海町河川一覧表

双海町河川一覧表


双海町砂防指定地一覧表

双海町砂防指定地一覧表


双海町急傾斜地崩壊危険区域指定地一覧表

双海町急傾斜地崩壊危険区域指定地一覧表


双海町地すべり防止区域指定地一覧表

双海町地すべり防止区域指定地一覧表


双海町地すべり防止区域指定地一覧表

双海町地すべり防止区域指定地一覧表