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双海町誌

第一節 治安

一 概   要
 一八七一(明治四)年十一月一日、大政官達第六二三号に基づいて県治条例が公布され、県に典事(司法警察権)が設置された。続いて翌明治五年には、上灘村(武田二三郎宅)に大洲警察上灘分署が設けられ、当時の高野川・上灘・高岸・大久保・串・境(現大洲市)・佐礼谷(現中山町)の各村と中山及び北山崎村の一部が所管されることとなった。
 一八七五(明治八)年三月には、従来の捕亡吏・取締・番人の名称を廃して邏卒と改称した。更に同年十月には、邏卒は巡査と改称され、六等級制の警部が置かれた。当時の警察幹部の服装は洋服であったが、その他の官吏の服装は和服に股引きで、警杖を携帯した。なお、当時の巡査のシンボルでもあったサーベルは、一八八二(明治十五)年十二月の大政官達第六三号の公布によって携帯が許可された。
 一八八六(明治十九)年当時、上灘分署は松山警察上灘分署になっていたが、同年に郡中警察署が新設されたため、上灘分署は廃止され、上灘交番所となった。また、下灘村役場には、上灘交番所下灘巡査駐在所が併設されることとなった(その後、同駐在所は下灘役場前に移転した)。
 一九〇二(明治三十五)年四月には、大字上灘甲五七四七番地の二(灘町)に郡中警察署上灘村巡査部長派出所が設置された(同派出所は一九〇八〈明治四十一〉年に廃止されて上灘村巡査駐在所となった)。
 更に一九一〇(明治四十三)年四月には、大字上灘甲四六四番地の三(三島)に大栄口巡査駐在所が新設された(同駐在所は一九四〇〈昭和十五〉年に廃止された)。
 太平洋戦争後の一九四八(昭和二十三)年三月七日、新警察法が施行されて警察は国警と自治警に分割されたが、一九五四(昭和二十九)年の警察法の改正によって国警と自治警は再び統一されて県警となった。巡査の携帯品も、サーベルからピストル・警棒へと代わった。下灘駐在所は、一九六七(昭和四十二)年に下浜海岸の埋立地に移転したが、二〇〇四(平成十六)年八月末をもって廃止された。また、上灘駐在所は、双海庁舎近くにあったが、二〇〇〇(平成十二)年十二月に現在地国道三七八号沿いに移転した。
 警察は明治初期には軍務省の管轄下にあったため、犯罪・治安維持・防犯の業務のほかに、軍事行政の一部も分担した。また、太平洋戦争後は司法警察・行政警察となったために、消防や衛生の業務も担当した。現在では、消防・衛生等は一般行政の所管になったが、一九六〇年代(昭和三十五年)以降は順次交通関係の業務が増加していった。


二 防   犯
 犯罪を未然に防ぐため、あらゆる団体が情報交換を密接に行い、効果的な活動を広範囲に展開しようと、一九六八(昭和四十三)年ごろから関係する団体が連携して、青少年非行防止運動・社会を明るくする運動・父通事故防止運動・街頭補導活動などが行われてきた。
 少年非行の歴史を振り返ると、終戦直後の社会的混乱期に少年たちが生きるために非行に走ったといわれる一九五一(昭和二十六)年をピークとした第一の波、高度経済成長期の都市化と交通の発達によって粗暴化が顕著となった一九六四(昭和三十九)年をピークとした第二の波、そして現代型非行といわれる一九八三(昭和五十八)年をピークとした第三の波があり、時代ごとに社会問題になってきた。現在は、凶悪化、低年齢化、いきなり型の犯罪、いじめ・不登校の増加、「出会い系サイト」に代表される有害環境の氾濫など、犯罪の質に変化がみられ、青少年を取り巻く環境の悪化が懸念されている。
 本町では、様々な団体が青少年の健全育成や非行防止を目標に掲げて地道な活動を継続してきたので、非行に走る青少年の数は他町村と比較して少なく推移してきた。
 一九六三(昭和三十八)年ごろから青少年の非行防止と街頭補導活動の中心的な役割を果たしてきたのが、少年警察協助員であった。少年警察協助員には、伊予地区少年警察協助員(伊予警察署が委嘱)と双海町少年警察協助員(双海町長が委嘱)があり、町内にとどまらず、松山市や伊予市での非行防止活動も行っていた。
 一九八九(平成元)年七月には、双海町少年警察協助員が双海町少年補導委員となって双海町少年補導委員協議会が発足した。
その後、県や近隣市町村・地域の関係機関との連携・協調を深め、広域的かつ総合的に青少年の健全育成と非行防止を図るための拠点として、一九九〇(平成二)年四月に双海町青少年育成センターを発足させた。それに伴い、少年補導委員は育成センター内に置かれることとなった。
 二〇〇四(平成十六)年度現在、一八人の補導委員(男性一〇人、女性八人)が中心となり、伊予地区少年警察協助員や各小中学校PTAと連携しながら、駅前での声かけ運動や街頭補導活動などを行い、非行を未然に防ぐことに尽力している。

関係機関
 一九六三(昭和三十八)年ごろから十数人が伊予警察署の委嘱となり、更に後年には町の補充委嘱となって活躍した事実はあるが、一九七六(昭和五十一)年以前の会長名は不明である。


三 交通安全
(1) 交通指導員
 交通指導員は、町長から委嘱され、交通安全協会等の関係機関と協力し、交通安全保持のために必要な指導及び交通安全思想の普及啓発に努めている。主な活動は、春・秋の全国交通安全運動中及び毎月二十日の街頭指導、交通安全茶屋におけるドライバーへの交通安全の呼びかけとシートベルト着用の指導、各種キャンペーンの実施、イベントでの交通整理、防災行政無線等を活用した交通ルールとマナーの実践についての啓発などである。

(2) 伊予交通安全協会上灘・下灘支部
 伊予交通安全協会の支部として、広く住民に交通安全思想の普及を図るとともに、交通事故の防止を目的として交通安全活動を展開している。
 主な活動は、春・秋の全国交通安全運動中及び毎月二十日の街頭指導、交通安全茶屋におけるドライバーへの交通安全の呼びかけとシートベルト着用の指導、各種キャンペーンの実施、イベントでの交通整理、防災行政無線等を活用した交通ルールとマナーの実践についての啓発、交通安全用具の支給などである。


四 防   災
(1) 双海町地域防災計画の策定
 一九九五(平成七)年一月に阪神淡路大震災が発生し、全国的に防災の基本である地域防災計画の見直しが叫ばれた。本町においても、一九九八(平成十)年九月、新たに双海町地域防災計画が策定され、防災の充実を図ることとなった。
 策定された計画は、風水害等対策編と震災対策編からなり、それぞれ予防計画や災害復旧・復興対策などが盛り込まれた。

風水害対策編
 第一編の総論には、計画の趣旨・防災関係機関の処理すべき事務又は業務の大綱・双海町の地勢及び災害記録が盛り込まれ、防災計画の基本方針が記された。
 また、第二編の災害予防計画には、自主防災活動やボランティアの防災活動・防災訓練などのあり方についての行動計画が述べられたほか、具体的な風水害等の予防対策・火災予防対策・林野火災予防対策・住民生活の確保対策・災害時要援護者の援助対策が記された。更に、広域応援体制の整備・ライフライン災害予防計画・公共土木施設等災害予防計画・海上災害予防計画についても詳細な計画が記された。
 第三編の災害応急対策計画には、応急措置の概要が述べられたほか、情報活動・広報活動・避難活動・緊急輸送活動・交通確保対策などの応急対策について、それぞれ具体策が記された。
 更に、第四編として、災害復旧・復興対策についての詳細な計画も盛り込まれた。

震災対策編
 第一編の総論には、風水害対策編と同様に、計画の趣旨・防災関係機関の処理すべき事務又は業務の大綱が盛り込まれたほか、地震発生の条件・地震防災緊急事業五か年計画の詳細が記された。
 第二編の地震災害予防計画には、火災予防対策のほか、津波災害・水害対策、公共土木施設等の耐震対策にも配慮した計画が盛り込まれた。
 第三編の地震災害応急対策計画には、風水害対策編と同様に情報活動・広報活動・避難活動・交通確保対策などの応急対応策が示された。
 第四編の地震災害復旧・復興対策にも、風水害対策編と同様に災害復旧・復興対策が盛り込まれた。

(2) 双海町防災行政無線
防災行政無線は、役場庁舎内に無線室を設けて親局設備を設置し、集落別・情報内容別に地域又は屋外子局を選択して情報を伝達するシステムである。またこの施設は、デジタル信号識別方式により、必要によって屋外子局から作動状況についての情報が返送できる。
 二〇〇〇(平成十二)年一月一日、管内全域に屋外子局を設置するとともに全世帯及び公共施設等に戸別受信機を設置して運用を開始した。これは、町内一斉同時放送を可能にした画期的なものであった。
 一方、JAえひめ中央上灘支所・JAえひめ中央下灘支所並びに双海町役場下灘支所には、遠隔制御局を設置し、親局を制御して農協組合員及び地域住民へ通報できるよう、親局の無線設備を共用させた。また、伊予消防等事務組合伊予消防署双海出張所には、遠隔制御装置を設置して、災害時の情報を直接管内へ通報できるようにした。
 なお、管内全域における電波伝搬状況は、役場構内(屋上)に空中線を設置するものと仮定した回線設計及び電波実験を行った結果、管内全域に良好な電波を発信するには不充分と判断されたため、中継局を設置した。また、庁舎内の基地局と管内全域を移動する移動局との問の情報の伝達収集の迅速化を図るため、移動系施設も合わせて設置した。
 親局の設備は、前述のように庁舎内に無線室を設けて設置された。親局機器の主なものは、操作卓・自動プログラム送出装置・電源装置・地図表示盤等であった。空中線柱等の屋外設備は、双海町基幹集落センター屋上に設置された。
・無線送受信装置
 六〇メガヘルツ帯の中継局向け無線送受信装置で、一号機・二号機自動切換方式のもの。
 アプローチ波は六一・八九五メガヘルツ、送信出力は○・一ワットである。


双海町少年警察協助員連絡協議会会長

双海町少年警察協助員連絡協議会会長


双海町少年補導員協議会会長

双海町少年補導員協議会会長


保護司

保護司


人権擁護委員

人権擁護委員


行政相談委員

行政相談委員


双海町交通指導員会長

双海町交通指導員会長


伊予交通安全協会 上灘支部長

伊予交通安全協会 上灘支部長


伊予交通安全協会 下灘支部長

伊予交通安全協会 下灘支部長


平成十五年内、道路別交通事故発生状況

平成十五年内、道路別交通事故発生状況