データベース『えひめの記憶』

えひめの記憶 キーワード検索

双海町誌

第六節 漁業振興対策

一 栽培漁業の推進(中間育成)
 一九八七(昭和六十二)年、漁場の荒廃により、獲る漁業から育てる漁業への意識が漁民の間に高まり、タイ、ヒラメ、アワビの中間育成をして放流した。その後、タイ、ヒラメ、アワビの種苗放流も実施した。資源の増大を目的として、県が種苗を提供したものである。栽培効果をあげるため、漁協は漁場の造成を合わせて推進したので、漁業者に栽培漁業の意識が高まった。
 主な造成施設は次のとおり。

二 漁協女性部結成
 県漁連と県信漁連は婦人部の活動を重視し、組織の拡充に努め、愛媛県漁業婦人部連絡協議会を発足させた。一九五七(昭和三十二)年、上・下灘漁協に婦人部連絡協議会が設立され、貯蓄の増強「一日一〇円貯金運動」、生活改善行事などの事業が実施された。昭和五十年代には、海の汚染防止、若妻育成、魚食普及など活動を拡大した。汚染防止による問題には、有害合成洗剤追放に取り組み無害の粉石鹸の使用、海岸清掃など現在も地域環境美化に大きく貢献している。
 二〇〇三(平成十五)年に、漁協女性部と名称の変更を行い、地域に根ざした活動を展開している。

三 青年漁業者連絡協議会
  一九七〇(昭和四十五)年、上・下灘漁協は、町とともに漁業後継者の育成に取り組み、後継者の組織を設立した。一九七三(昭和四十八)年、県は活力に満ちた青年漁業者の育成を図るため、愛媛県青年漁業者連絡協議会を結成させた。これに伴って前述の後継者組織は上・下灘青年漁業者連絡協議会という名称になり、新時代にふさわしい漁村の青年の育成が始まった。
 [主な事業]
・各種イベントへの参加(漁獲物の出品)
・漁業技術及び経営研究会発表大会への参加
・漁業先進地研修の実施
・漁協事業への積極的参加の推進
・水産資源保護栽培研究(ヒラメ、ヒオギ貝、カキ、ウ二)

四 えひめ水産まつり
 一九九三(平成五)年、第一三回全国豊かな海づくり大会が天皇・皇后両陛下をお迎えして伊予市で盛大に開催された。上・下灘漁協に所属する漁船がパレードなどに参加し、大会を盛り上げた。この大会を記念して始まったえひめ水産まつりの第一〇回大会が二〇〇三(平成十五)年十一月、「夕やけこやけ笑顔あふれる海づくり」をテーマに豊田漁港(下灘漁協)周辺において愛媛県知事、双海町長を迎え開催された。前夜からの雨も開催時間には上がり、関係漁協ほか各種団体による稚魚放流や水産物・特産品即売会が行われ約一万五〇〇〇人の人出でにぎわった。

五 漁協合併の方向
 経済発展と漁協を取り巻く情勢の変化に伴い、販売、購買、信用、利用、共済事業など各分野における漁協の役割がますます重要性を増してきている。そこで一九九九(平成十一)年七月、愛媛県の合併計画をもとに漁協の育成と漁業に関する協同組織の一層の強化を目的に合併に取り組むため双海町漁協合併基本方針策定検討会が開かれた。
県の計画(平成十一年二月)
第一段階 伊予市、伊予郡(松前、上灘、下灘)
第二段階 伊予市、伊予郡、長浜地区
第三段階 北条市、中島地区、松山市、伊予市、伊予郡、長浜町



主な造成施設

主な造成施設