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双海町誌

第一節 安土桃山時代前

 双海地域における産業・経済の推移は、まず地域が置かれている自然的条件を基盤としてとらえていかなければならない。
 本町の東、道後平野の尽きるところに大きく横たわる三秋の峠が、遠く奈良・平安の昔から松山地方を中心として広がってきた文化の流れをさえぎり、ここを境として産業・経済の区域を大きく東西に分けてきた。
 そして地域の開発に大きく影響してきたといえる。直ちに海に迫るほどの山地を背にした細長い海岸地帯は、古来住民も少なく、わずかに開けていた川沿いの平地や丘陵地を開墾して自給自足の生活を営む一方、地の利に恵まれた海岸で漁業を営んで生計を立てていたものと思われる。