データベース『えひめの記憶』
中山町誌
西宮 栄太郎 (にしみや えいたろう)
佐礼谷村安別当薬師の西少し坂口を上れば、ゴーナゴという所に一墓石がある。表に「栄学宗調信士、榴園智盛信女」と刻し、側面に「明治二二年丑旧三月一五日西宮栄太郎、元治二年丑五月九日妻コイシ」、裏面には「弟子中」とある。これは篤学の人西宮栄太郎を永遠に記念する墓標である。
身は一農家に生まれ農をもって家業としたが、余暇に経学、算数の道を学び、後、子弟を集めて、無報酬でこれを訓導して倦む所を知らなかった。老年に及び起つことが出来なくなってもなお書に親しんでいた。
彼が所蔵の書籍は火災のために烏有に帰し伝わっていない。遺憾なことである。(「伊予郡善行録」より)